単連結な3次元閉多様体は3次元球面S3に同相である。
有名なポアンカレ予想です。
1904年にアンリ・ポアンカレが予想して以来、多くの数学者がこれを証明しようと躍起になってきました。
なかにはのめり込みすぎて精神に変調をきたした数学者もいるとか。
怖ろしいことですね。
この謎を解いたのが、ロシアの数学者グリゴリ・ペレリマン(41)。
その功績により、数学界最高の栄誉とされるフィールズ賞の受賞が決まりましたが、彼は受賞を拒否し、数学の表舞台から消え去ってしまいました。
彼は何を見てしまったんでしょうね。
人間の能力を超える業績をのこした時、そこからこの世で見てはいけないものが見えてしまい、隠居したり、自殺したり、精神病に成る人がいますね。
彼もその類だったのでしょうか。
解こうとすると気が狂うのがポアンカレ予想なら、読めば気が狂うと言われたのが夢野久作の「ドグラ・マグラ」ですね
謎が謎を呼び、ぐるっと回って元に戻る、不思議な構成で、私は楽しみました。
私は根っからの文系人間で、数学などは大嫌いですが、数式で会話する数学者同士を見ると、格好いいなあ、と憧れます。
国文学の世界で、著名な数学教師といえば、なんといっても「坊っちゃん」ですね。
東京から松山の中学に来た坊っちゃんが大暴れする痛快小説。
しかし生徒に質問されて答えられず、「明日教えてやる」なんて、坊っちゃん、意外と数学苦手なんじゃ?
文学者は数学が苦手な人が多いですが、それを恥じて、芥川龍之介が後輩にはっぱをかけています。
文芸家たらんとする中学生は、須らく数学を学ぶ事勤勉なるべし。然らずんばその頭脳常に理路を辿ること迂にして、到底一人前の文芸家にならざるものと覚悟せよ(「文芸家たらんとする諸君に与ふ」)。
自分が数学をあまり勉強しなかったために苦労しているから、諸君は頑張ってね、ということでしょう。
私も遅ればせながら、数学や物理など理系の学問を学んでみようかな、と最近よく思います。
今まで世の中の半分しか見ていなかったような気がするのですよ。
だけど40の手習い、ちょっと無理かな。
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