ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

品がない

2015年01月15日 | 思想・学問

 フランスの新聞がイスラムの預言者を風刺する絵を掲載し、これに怒ったイスラム過激派がテロ事件を引き起こしたことが、たいそう話題になっています。

 この新聞、通常は6万部程度の発行のところ、最新刊は500万部刷ったとか。
 事件が宣伝効果を引き起こし、巨大な利益を得るとは皮肉なものです。

 イスラム教では偶像崇拝を禁止しており、預言者やアッラーの神を絵に描いたり像を作ったりするのはきつい御法度なんだそうで、メディアに表現の自由があることは確かだし、暴力でこれを封殺しようなどとということは許されませんが、フランスの新聞ももう少し異教の人々の心情を慮るべきだったでしょう。

 かつてイスラムへの冒涜の烙印を押された「悪魔の詩」を日本語に翻訳した筑波大学だかの先生が暗殺されたことがありましたね。

悪魔の詩 上
サルマン・ラシュディ,五十嵐 一,Salman Rushdie
新泉社

 

悪魔の詩 下
サルマン・ラシュディ,五十嵐 一,Salman Rushdie
新泉社

 しかし最近、もっと過激な書籍が販売されていることを知りました。
 幸福の科学の大川隆法氏が著した「公開霊言ムハンマド」とかいう本です。

中東で何が起こっているのか―公開霊言ムハンマド/アリー/サラディン (OR books)
大川 隆法
幸福の科学出版

 この人、生きている人も含め、あらゆる有名人の霊言なる本を出版して、表紙だけで笑わせてくれますが、ムハンマドはまずいんじゃないでしょうかねぇ。
 ムハンマドは、ひと昔まえまではマホメットと表記されていたイスラム教の開祖にして、アッラーの神の啓示を受けた預言者とされている人です。

 絵に描くだけで命が狙われてしまうのに、霊言とは畏れ入りました。
 思い切ったことをするものです。
 まさに表現の自由の闘士ですねぇ。

 ただ、イスラム過激派もあまりに馬鹿馬鹿しくて相手にしないかもしれませんね。

 もしイスラム過激派が大川隆法に手を出したら、幸福の科学の信者も黙ってはいないでしょうねぇ。

 多くの宗教が混在するわが国では、お正月には神社で拍手を打ち、葬式では寺院でお焼香をし、結婚式ではアーメンと唱えるのが普通のことです。
 例え内心の信仰とは異なる宗教でも、その作法を尊重するのが当たり前。
 それは礼儀の問題であり、人としての品の話です。

 そういう意味ではフランスの新聞、少々品のないやり方をしてしまったのではないでしょうか。

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