昨夜は「思考の整理学」と言う本を読みました。
なんでも東大、京大の学生に最も読まれた本だそうです。
だからといって小難しい書物ではありません。
むしろ軽い読み物と言った感じです。
著者曰く、朝飯前というのは簡単な仕事というわけではなく、朝飯前が最も頭が働く時間帯で、だからこそ朝飯の前は難しい問題でも解決が容易だと言います。
で、朝飯前の時間を長くするにはどうすれば良いかというと、早起きするのではなく、朝飯を抜いてしまえば良いのだとか。
そうすれば朝飯前の時間が長くなって仕事がはかどる、なんてヘソの曲がったことが書いたりしてあって飽きさせません。
しかし悲しいかな1983年に出版されたそうで、現代の整理とは異なっています。
すなわち、ノート、カード、スクラップブックなどでの整理法が紹介されているのです。
1983年と言えば、コンピューターは専門家の間で使われる物で、一般的に使用される物ではありませんでした。
現代で整理と言えば、エクセルやワード等に入力して保存するか、あるいは紙であってもPDF化してデータにするのが一般的です。
データにすれば検索もかけられるし、そもそも紛失するということがまずありません。
記憶媒体その物を紛失してもバックアップを取ってあれば大丈夫です。
したがってこの本に記されている整理学なるものは、どこか郷愁を誘う懐かしいものばかりです。
若い世代にとっては懐かしいというより原始的に感じるかもしれませんね。
私も中高生の頃は単語帳などに単語を書いてはおさらいして勉強した世代ですから、言わんとするところは分かりますが、今さら感が漂います。
だからと言ってつまらないものではなく、人間は忘れることが出来るから素晴らしいとか、アイディアや着想が浮かぶのは布団の中だったりトイレだったりすることが多い、など、人間の思考の本質を突いたことも語られ、おそらく整理の方法よりもそちらがメインなのだろうと思います。
小説ばかり読んでいる私には、逆に面白い読み物になっています。
現代を生きる者にもためになる書物だと思います。
ご一読をお勧めします。