今日は敗戦記念日なのですね。
77年経つのだそうで。
ずいぶん長い間、わが国は平和を享受してきました。
それは有難いことだと思います。
ただ、昨今の世界情勢を見るにつけ、不安がよぎります。
主要な大国は武力で領土拡張を狙うのはご法度というのがつい最近までの常識だったと思います。
しかるに、ロシアはウクライナを侵略し、戦いはもう5カ月も続いています。
ひと昔前だったら世界大戦になっていてもおかしくないと思います。
西側の民主主義国家群は現代の常識に沿い、ロシアと戦おうとしません。
ロシアの野望が達せられたら、ロシアと同じ専制国家の中国が台湾を武力で奪い取ろうとするかもしれません。
そうなったらわが国も無傷ではいられないでしょうね。
昨年までの8月15日と今日では、状況が大きく変わってしまいました。
昨年までは戦後だったかもしれませんが、今、わが国は戦前を迎えたような気がします。
次なる戦争の戦前。
民主主義国家は専制国家の脅威にさらされています。
わが国は米国に占領され、わが国が再度軍事大国になって世界を相手に戦うことを恐れた米国によって、即席の憲法で武装を禁じられました。
しかしソ連との冷戦を迎え、米国は態度を豹変させ、わが国に応分の軍事的貢献を求めることとなりました。
ほとんど改正は不可能な、国会における3分の2による発議、さらには国民投票を経る、という足かせをつけ、米国は後悔したでしょうね。
わが国の主に保守系の政治家は、警察予備隊、保安隊、自衛隊と、名前を変えながら解釈改憲によって軍事力を整備し、今では英国の軍事雑誌で世界第5位の軍事大国と称せられるまでになりました。
そのことは結構ですが、長いこと軍隊ではないみたいな苦しい言い訳を繰り返し、しかし実際は戦車や戦闘機を持つと言う、法律と現実との乖離が生まれました。
これはわが国の人々の倫理感を破壊するような、大嘘であったと断じざるを得ません。
不幸なことです。
もし私が危惧するように、戦前に入ったのだとすれば、わが国は更なる軍事力の強化が必要でしょうね。
台湾を攻めれば自衛隊という変な名前の日本軍がやってきて、大きな損害を被ることになると、中国に恐怖を与えなければなりません。
今日まで主要大国が大規模な戦争をせずに済んだのは、第三次世界大戦に発展することと、核兵器使用に対する恐怖が主たる理由かと思います。
多分人間が人間であるかぎり、平和は恐怖でしか保たれないのだろうと思います。
それならばわが国が平和を維持するためには、ロシアや中国、北朝鮮に、わが国に対する恐怖を植え付けなければなりません。
それは誠に馬鹿々々しい、愚かなことだと思います。
しかし狂気を帯びた国々が世界を席巻する現在、わが国一人が正気を保っているわけにはまいりません。
どこもかしこも狂っているのなら、狂気こそが正常ということになりましょう。
わが国は狂気を身に纏い、この不確かな平和を維持せしめるよう、軍事大国化への道を突き進むより他、選択肢はありません。
嫌な時代が訪れたものです。