あるサイトを見ていたら、日本人の死亡率の長期推移を示した表が目に止まりました。
それで、日本は世界一の長寿国ということの不思議について考えてみました。
ガンで死ぬ人が毎年激増して、生活習慣病が増えて、生活習慣病の人の死ぬ確率がそうでない人の1.5倍に増えている。
それでも日本人の寿命が増えている。これって、オカシクないですか?
2010年の日本人の3大死因の死亡数は、第1位悪性新生物(ガン)35万2000人、第2位心疾患18万9000人、第3位脳血管疾患12万3000人と推計される。
このとき2010年のガンによる死亡者予測数は35万2,000人ですが、表を見るとここ数年毎年5万人づつ増えているので、40万人近くになる筈です。
そして実際、公的機関でも2015年にはそれが60万人程度になる、つまり2人に1人はガンで死ぬ時代になると予測しています。
3大疾患での死亡数はガン、脳疾患、心疾患を合わせて66万4,000人(2010年の推計)。
事故、老衰、肺炎、自殺などを含めた全体の死亡数が119万4,000人ですので約56%を占めます。
3大疾患は謂わば生活習慣病です。糖尿病も増えて腎疾患から透析をする人も増え、糖尿病からの合併症でも毎年多くの人が亡くなります。
それなのに日本人の寿命は世界一。
ガンが増えているのは寿命が増えているからと考えられています。
実際にガンは60歳から急増します。
そして団塊の世代の人が罹患率の頂点となる70歳代をこれから迎えます。
そして若い人が減っているのでガンによる死亡者、死亡率はまだまだ上がるということです。
肺炎による死者が増えているのも長寿で老衰に近いと、点滴などで生かされている内に老衰の筈が肺炎になってしまい診断書の死亡原因には「肺炎」となってしまうのです。
点滴はまだ良いにしても、老衰で死ぬ予定の人を「胃ろう」で延命してしまう人が日に日に増えているのもその一因でしょう。
(胃ろうはお勧めしません。胃ろうにした家族のほとんどがそれを後悔しています。例外を除き自然の摂理に逆らう行為です)。
ちょっと、胃ろうのことで寄り道します。
今年の春にある病院の理事長に広告記事の制作で取材したときの話です。
その病院は病院の他にも介護施設、デイケアなどを多くもっていました。
理事長は元理事長・院長だった方の奥さんで、理事長だった御主人が5年ぐらい前に大病で倒れて意識を無くし寝たきりとなりました(院長は医師の御子息)。
取材を終えて、雑談で施設にいた私の父の話になり、胃ろうにするかでしないかで悩み、しない決断をしたことに話が及びました。
私は知らなかったのですが、元理事長の御主人は胃ろうをしているとのこと。
いや、まずい話をしてしまったと思いました。
しかし理事長(奥さん)は意外な話をしました。
「生前、二人で話をしていて、どちらかが倒れて意識が亡くなったら胃ろうだけはしないようにしよう、と話し合って決めていたのです。でも実際に院長(ご主人)が倒れると胃ろうにしました。意識はないのですが、呼びかけなどきっと分かってくれているように感じます。自宅で介護していますので大変ですが、それが私の生きがいのようなものです」と。
(録音が残っていないので正確ではないですが、話の内容は印象的で全部覚えています)。
しかしその時の奥さんの顔に、私は後悔の念も観たのです。
迷いのない表情でなかったことがとても印象的でした。
さて、最初に不思議に思ったことに話を戻します。
ガンになって死ぬ人がどんどん増えているだけではなくて、糖尿病や高血圧、高脂血症などの所謂、メタボリック症候群で死ぬ人の確率はそうでない人の死ぬ確率の1.5倍程度になるのです。
それで年配の人の生活習慣病の人は3人に2人もいるのです。
だからどんどん日本人の寿命は短くなっても良いはず、しかし日本人の寿命は男性が約79歳で女性は86歳で世界一。
日本人の男女合わせた平均寿命は83歳。
世界の平均寿命は、男性が66歳、女性が70歳、男女平均が68歳。
それでちょっと不思議に思っていましたが、医療技術が進歩しているので簡単な病気では死ななくなっているし、新生児の死亡の確率だって劇減しているので、そうなんだろうぐらいに思っていました。
新生児の死亡率は国別に見ても日本は優秀。
昭和20年代に多かった0~14歳の死亡数が減少しているのも、寿命の伸びに貢献しています。
若い人が死ぬと寿命は一気に減る。人口2人の国でそれぞれが80歳と10歳で亡くなったら平均寿命は45歳ですからね。
そこで上のグラフにたまたま巡り合って、やっぱりそうだと確認しました。
「肺炎」とか「胃腸炎」とか「結核」が今の死因3大疾病どころではなく多かったのです。
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