ダニオン・ブリンクリ―は25歳のとき雷に打たれて臨死体験をしました。
臨死体験後に頂いたとてつもない超能力については昨日書きました。
その霊体離脱中の体験内容についてこれから書いていきますが、とてつもない、という意味では霊体離脱後に受けた「人生の回想」もとても貴重なものです。
スピリチャルに関心のある方は、人間の本質は肉体ではなく魂やスピリットにあると理解していることでしょう。
これらは特定の肉体が誕生する以前から存在していて、その人の死後も存在し続けることを周知していると思います。
ですから魂(実際には魂を含めた意識の複合体=とびら考)が死ぬ前に一時的に肉体を離れ、また肉体に戻ってくることは疑うことはないでしょう。
また本当に死ぬときは終えようとしている、或いは終えた人生の回想をすることも信じていることでしょう。
しかしそれは死ぬ予定の人であって、まだ死ぬには早い人の人生は終わっていないのですから、一生の回想もまだ全部は必要ではない筈です。
生き返る人はその先に行くことを止められる、というのが私の知識でした。
私は臨死体験を特に深く調べたことはありませんので、いい加減なことは言えませんが、少なくともこの本では何人かの臨死体験が語られていますが、ダニオン以外は人生の回想について触れていません。しかし一切なかったということではなくて、誰もがある程度は回想させられるようです。
では、ダニオンの回想とはどんなものだったのでしょうか。
先ず、自分の人生を記憶のあるところから見させられると思われた回想が、彼の場合には小学校時代から始まりました。
子供時代はいじめっ子で喧嘩ばかりしていて、ベトナム戦争では情報部員として暗殺者としての任務を受けていました。
彼の回想は「ひとつの出来事の中で、自分と相手の両方の思いを感じるだけではなく、それに反応した第三者の気持ちも、感じることができた」といいます。
自分がいじめた人の辛い悲しみを感じることができた。
また、暗殺した人の妻や子供たちの悲しみも感じ取ることができたといいます。
ある暗殺指令で暗殺がどうしても上手くいかず、プラスチック爆弾で他の人々を50人ほど巻き添えにしたときは、そんな多くの人の死の恐怖の感情と、愛する人を失った彼らの家族の辛く苦しい感情に圧倒されたと言います。
ダニオンがこのカルマをどのように償還するのか、私にはよく判らない。
動物の感情も分かった。山羊を虐めていた男から救ってあげた時、羊からありがとうという感情が伝わってきました。
自分の飼っていた犬が悪さをした時、犬をベルトで鞭打ちましたが、犬の悲痛と苦しみが伝わって来ました。
そしてこの体験を通じて、彼は「動機の重要性」に気が付きました。
「自分がなにをしたかということよりも、何故そうしたのかということの方が、はるかに重要なことだということにも気づいた」。
戦争などで人を殺した場合と、物を盗もうとして見つかって取っ組みあって殺してしまった場合と、恨みから故意に殺人を犯す場合と、楽しむように人を殺したり殺し屋として報酬目的で人を殺したりする場合では受けるカルマの重さもまったく違います。もちろん、後者になるにつれてカルマは重くなります。
回想を終えたダニオンは、それまで自分がしてきた傲慢な人生を深く反省し、光の存在の前で悲痛と恥を深く感じました。
その後、ダニオンは生き返りますが、彼の人生はそれまでのものとは全く違い、奉仕へと変化して行きます。
彼の臨死体験でもう一つ珍しく貴重なことがあります。
様々の知識を与えられ、幾つかの未来を見せられます。
そしてその未来の混乱が、戦争が、次々に実現して行きます。
― つづく ―
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