楽園の薔薇
10.風邪をひいても
<4>
「このバカ!!」
数日後。
だいぶ回復したイスフィールは、レイアースに怒られた。
それをやっと認めてもらったばかりだから、心おきなく(?)怒られることができた。
「なに風邪ひいてんのにノコノコ歩いてんだよ!マリーナがどんだけ心配したと思ってんだ!?」
「…でもそうしなきゃレイアースここにいないし…。」
「うぅっうるさいっ!もうちょっと自分のことを考えろ!」
レイアースはそれだけ言って椅子にふんぞり返った。
それを見たセイレーンが苦笑する。
「レイアースも自分のこと考えなきゃ。」
「そうですよー。そういうところ、そっくりですね~♪」
「「そっくりじゃないっ!」」
イスフィールとレイアースは全力否定。
まさかこんな相手と、と顔を見合わせる。
それを見たセイレーンとマリーナが吹き出した。
「…あんた達の方が似てるじゃない。」
にらみながらイスフィールが言う。
「そうかなぁ?」
「そうですかねぇ?」
言われた2人は、ほけほけと笑うばかりだ。
「「………。」」
負けた。
完敗である。
「…あれに勝てる奴、いんのか?イスフィール。」
「いないと思うわ。ある意味最強だから。」
今までもいなかったしー。
セイレーンも杖の儀式で口論している。
それを見たイスフィールは絶句したものだ。
「イスフィール。ロールケーキの差し入れ。」
ユニゾンが1つパックを手にしてやって来た。
「「ロールケーキ!?」」
2人反応した人がいる。
マリーナとセイレーンだ。
マリーナなんか、目が星になってる感じ。
「いただきまぁす!」
「あ、ショコラだぁ!!」
ここでもそっくり。
ユニゾンがハーブの葉(自家製)を取り出す。
「じゃ、私ティーカップ持ってくるね!」
早く察したイスフィールが駆けだした。
「おぅ。――って、待て!」
その先のことを予想し、レイアースが追いかける。
足音が遠ざかり、ややあって――。
破壊音がした。
それに続き、2人の声。
「ひゃぁぁー!!」「またかぁっ!」
ティーセットが、また1つ減った。
「父様ぁー!倉庫の使うからぁー!!」
イスフィールがそう言って持ってきたのは、壊れていなかった。
レイアースが死守したらしい。
「物が壊れたってことは、イスフィール様全快ですね♪」
「あぁ…ごめんマリーナ、仕事増えるよね…。」
「いえいえ、大丈夫ですよ。ーあぁ!セイレーン様全部食べちゃったんですかぁ!?」
「僕1つしか食べてないって。残りの4つ食べたのマリーナじゃないか。」
「最後の1個食べちゃったのセイレーン様じゃないですか!」
マリーナが叫ぶ。
それらを見て、ユニゾンは微笑む。
みんな元気なのが一番だなぁ、と和やかに。
written by ふーちん
10.風邪をひいても
<4>
「このバカ!!」
数日後。
だいぶ回復したイスフィールは、レイアースに怒られた。
それをやっと認めてもらったばかりだから、心おきなく(?)怒られることができた。
「なに風邪ひいてんのにノコノコ歩いてんだよ!マリーナがどんだけ心配したと思ってんだ!?」
「…でもそうしなきゃレイアースここにいないし…。」
「うぅっうるさいっ!もうちょっと自分のことを考えろ!」
レイアースはそれだけ言って椅子にふんぞり返った。
それを見たセイレーンが苦笑する。
「レイアースも自分のこと考えなきゃ。」
「そうですよー。そういうところ、そっくりですね~♪」
「「そっくりじゃないっ!」」
イスフィールとレイアースは全力否定。
まさかこんな相手と、と顔を見合わせる。
それを見たセイレーンとマリーナが吹き出した。
「…あんた達の方が似てるじゃない。」
にらみながらイスフィールが言う。
「そうかなぁ?」
「そうですかねぇ?」
言われた2人は、ほけほけと笑うばかりだ。
「「………。」」
負けた。
完敗である。
「…あれに勝てる奴、いんのか?イスフィール。」
「いないと思うわ。ある意味最強だから。」
今までもいなかったしー。
セイレーンも杖の儀式で口論している。
それを見たイスフィールは絶句したものだ。
「イスフィール。ロールケーキの差し入れ。」
ユニゾンが1つパックを手にしてやって来た。
「「ロールケーキ!?」」
2人反応した人がいる。
マリーナとセイレーンだ。
マリーナなんか、目が星になってる感じ。
「いただきまぁす!」
「あ、ショコラだぁ!!」
ここでもそっくり。
ユニゾンがハーブの葉(自家製)を取り出す。
「じゃ、私ティーカップ持ってくるね!」
早く察したイスフィールが駆けだした。
「おぅ。――って、待て!」
その先のことを予想し、レイアースが追いかける。
足音が遠ざかり、ややあって――。
破壊音がした。
それに続き、2人の声。
「ひゃぁぁー!!」「またかぁっ!」
ティーセットが、また1つ減った。
「父様ぁー!倉庫の使うからぁー!!」
イスフィールがそう言って持ってきたのは、壊れていなかった。
レイアースが死守したらしい。
「物が壊れたってことは、イスフィール様全快ですね♪」
「あぁ…ごめんマリーナ、仕事増えるよね…。」
「いえいえ、大丈夫ですよ。ーあぁ!セイレーン様全部食べちゃったんですかぁ!?」
「僕1つしか食べてないって。残りの4つ食べたのマリーナじゃないか。」
「最後の1個食べちゃったのセイレーン様じゃないですか!」
マリーナが叫ぶ。
それらを見て、ユニゾンは微笑む。
みんな元気なのが一番だなぁ、と和やかに。
written by ふーちん