楽園の薔薇
12.イザベラ、初仕事!
<3>
「イザベラ!今日は何もないの?」
翌日、イスフィールはイザベラとして仕事に出た。
サラティが元気よくかけてくる。
イスフィールは顔を上げて答えた。
「うん。大丈夫だって!サラティ、あの後どうなったの?」
イスフィールが言っているのは、急に帰ることになったあの日のこと。
自分が手伝えなかったせいで、より時間がかかったかもしれない。
どうしても気になって聞いてみた。
「平気だったよ~!私が行ったらもう終わってた。」
「あ、そーなんだ。」
「うん。だからあんまり気にしないで?ただでさえ、イザベラの家特別なんだから。」
設定上は。
イスフィールは心の中でサラティに付け足す。
本人は知らないことだけど。
「…うん。ありがと、サラティ。」
友人っていいなあとイスフィールは思う。
外に出てから、こんな経験初めてだ。
「イザベラ!リネイアさんが呼んでる~!」
感動していると、いつの間にかサラティがずいぶん遠くにいた。
呼んでいるようだから、慌てて近くに行く。
ちなみに、リネイアとは側仕え見習いの少女達をまとめる人である。
「ど、どうしたの?」
「貴族様が来てんだってよ。急ごう!」
「あ、うん。」
足の速いサラティに追いつくため、イスフィールは必死に走った。
すぐに自分たちと同じ制服を着た集団が見えてくる。
その集団の視線が向かっているのは、燃えるような赤毛の青年だった。
「…誰?」
イスフィールは1人首を傾げる。
その時、脇からぱたぱたという可愛らしい音が聞こえてきた。
「サラティ、イザベラ!遅かったじゃないの。」
「リネイアさん。」
音の発信源は、リネイアだった。
濃い青の髪は長く、後ろで結わえられている。
そして黒のたれ目は、きりっとしてかっこよかった。
「すいません、少し話をしていて。」
「んもう。しっかりしてね?」
「「はーい!」」
2人の返事に、リネイアが苦笑する。
イスフィールとサラティは満面の笑みだが。
リネイアはまた可愛らしい音を立てながら、集団の前に立った。
そして、とんでもないことを言った。
「皆さん!彼はフレイル様。皆さんの中から2人、側仕えを選びにいらっしゃった方ですっ!」
written by ふーちん
12.イザベラ、初仕事!
<3>
「イザベラ!今日は何もないの?」
翌日、イスフィールはイザベラとして仕事に出た。
サラティが元気よくかけてくる。
イスフィールは顔を上げて答えた。
「うん。大丈夫だって!サラティ、あの後どうなったの?」
イスフィールが言っているのは、急に帰ることになったあの日のこと。
自分が手伝えなかったせいで、より時間がかかったかもしれない。
どうしても気になって聞いてみた。
「平気だったよ~!私が行ったらもう終わってた。」
「あ、そーなんだ。」
「うん。だからあんまり気にしないで?ただでさえ、イザベラの家特別なんだから。」
設定上は。
イスフィールは心の中でサラティに付け足す。
本人は知らないことだけど。
「…うん。ありがと、サラティ。」
友人っていいなあとイスフィールは思う。
外に出てから、こんな経験初めてだ。
「イザベラ!リネイアさんが呼んでる~!」
感動していると、いつの間にかサラティがずいぶん遠くにいた。
呼んでいるようだから、慌てて近くに行く。
ちなみに、リネイアとは側仕え見習いの少女達をまとめる人である。
「ど、どうしたの?」
「貴族様が来てんだってよ。急ごう!」
「あ、うん。」
足の速いサラティに追いつくため、イスフィールは必死に走った。
すぐに自分たちと同じ制服を着た集団が見えてくる。
その集団の視線が向かっているのは、燃えるような赤毛の青年だった。
「…誰?」
イスフィールは1人首を傾げる。
その時、脇からぱたぱたという可愛らしい音が聞こえてきた。
「サラティ、イザベラ!遅かったじゃないの。」
「リネイアさん。」
音の発信源は、リネイアだった。
濃い青の髪は長く、後ろで結わえられている。
そして黒のたれ目は、きりっとしてかっこよかった。
「すいません、少し話をしていて。」
「んもう。しっかりしてね?」
「「はーい!」」
2人の返事に、リネイアが苦笑する。
イスフィールとサラティは満面の笑みだが。
リネイアはまた可愛らしい音を立てながら、集団の前に立った。
そして、とんでもないことを言った。
「皆さん!彼はフレイル様。皆さんの中から2人、側仕えを選びにいらっしゃった方ですっ!」
written by ふーちん