退院した日に、ちょっとだけ挨拶に来てくれました。
「入院中はたいへんじゃなかったですか?」と私。
するとYさんは、
「たいへんじゃなかったよ。極楽だったよ。」
との返事でした。
意外な言葉にすこし、驚きました。
一週間ぐらいして、Yさんの家に用事があって訪ねました。
入院のことを聞かせていただきました。
「神様のことがとても感じられたよ。足が動くって、四つ必要なんだね。」との言葉です。
「骨だけで、足が動くわけじゃないんだね。筋肉も必要だし、筋(すじ)もなければならないよ。筋がかたまったら歩けなくなるからね。
神経も必要だし、でも、神経にさわってしまうと、今度は痛くて歩けなくなってしまうね。」
年配の人ばかりの部屋だったようです。
「腰の圧迫骨折のかたは、全然動けなくてたいへんそうだったよ。左足が骨肉腫(こつにくしゅ)のかたは、かろうじて切断しなくてすんだからよかったね。でも、今度は右足が痛くてしょうがないみたいでね…」
年配のかたの部屋は、なかなかたいへんのようです。
Yさんはそんななか、先生からも、「Yさんは、あとはリハビリだけですね。」
そう言われたようです。
「リハビリの療養師さんは、若い男の人が多いんだね。」
「〇〇にやってもらっているようだったよ。」
そんなことも言っていました。
昨年亡くなった孫を思い出したのでしょうか、それがうれしかったようです…
「ご飯も三食用意してくれるし、シャンプーまでしてくれるんだよ。極楽にいるみたいだったよ…」
「〇〇(亡くなったお孫さん)は、介護士になりたいって言ってたからね。〇〇にやってもらっているようだったよ。」
Yさんの言葉に、私は驚くばかりです。