焼き芋みたいな
エッセイ・シリーズ⑫
『いっつも』
久しぶりにAと会った。
相変わらず元気そうだったが、
珍しく神妙な顔つきでこんな話をしてくれた。
「もう一昨年の暮れの事になるけど、何かいっつも、
緊張感が足りないというかさ、刺激が欲しいな!と思った事があるんだよね。
そうしたら年が明けてコロナ騒ぎでとんでもない状況になったろ。
ナンカ、俺、呼んじゃったかな」
うーむ。それは只の、なあ。
Aは続ける。
「じつは以前から何度かそうした事があったんだよ。
初めて旅行に行った先がその翌年に大災害に見舞われたとか、
2回あったんだよね。何だか妙に気になってな」
「うーむ、それは微妙なところだなあ。
3,4回だったらあれだけど、2回だけなら何とも言えないよナ」
「そうなんだよ。微妙なんだ。中途半端なんだ、いっつも。
UFO見た時も、あれ本当にUFOだったのか?、
それともカン違いだったのか?、イマイチ自信がない。
いっそのこと、UFOにレーザービームでわあー!って吸い込まれてさ、
宇宙人に誘拐されたとかならスッキリするのに。なんかいっつも、漠然としたままでな」
そう言ってAは笑いながら、ぼそっと呟いた。
「俺の人生、いっつも漠然としてるんだよ」
いやいや、人生に例えなくていいだろ、いっつも。
星空Cafe、それじゃまた。
皆さん、お元気で!
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