焼き芋みたいな
エッセイ・シリーズ⑬
『 麻生のおばさん』
不思議とはっきりと、本当にはっきりと覚えてる。
おそらく僕がまだ2歳くらいの時だったんじゃないか。
母親に抱っこされてる僕を見て
「あらぁ可愛い。どこ行くの~?」と笑っていた麻生のおばさん。
麻生のおばさんの呉服店の前の歩道で、
まだ若かった頃の母と麻生のおばさんは
仲良く立ち話をしていた。
店の前には、町を横断する幅広の道路と、時おり行き交う車。
曇り空にも陽が射していた。
母が危篤になった日の夜は病室に駆けつけてくれて、
息を引き取る間際の母に、
「しっかりしなさい!しっかりしなさい!」と
大声で呼び掛けていた麻生のおばさん。
それから数年して、僕が高校入学を控えていたある日、
おばさんは僕を呉服店に呼び「合格祝いだよ」と学生服をプレゼント
してくれた。
「2年生頃まで着れるようにサイズ少し大き目だからね」と。
最初はブカブカで恥ずかしかったが、その内だんだんとピッタリして来た。
この学生服を着ての入学式。
高校生活、ヘタにグレたりしたら麻生のおばさんに申し訳ないぞと
思ったものだ。
今はもう、麻生のおばさんも母もこの世にはいないけど、
昔この通りのこの場所で、まだ若かった母と麻生のおばさんが、
赤ん坊の僕を見ながら仲良く立ち話をしていたんだ。
星空Cafe、それじゃまた。
皆さん、お元気で!
母の年齢を越えた日・・
2017.Recording 作品
HAPPY BIRTHDAY?
だったらおめでとうございますなのです(#^^#)
今日の歌もお話しもとてもとても素適です。
少し泣きそう。
えっ?あ、まだ先の、春のど真ん中あたりです。
うおー、まった1つ年をとるのかあああ・むはは
(姫はいっつも泣きそうと言う・笑)