快読日記

読書とともにある日々のはなし

「ニセモノはなぜ、人を騙すのか?」中島誠之助 角川oneテーマ新書

2008年03月24日 | エッセイ・自叙伝・手記・紀行
《思わずうっとり》





筆者はいつも鑑定団で、茶碗をひっくり返して見たりしてますが、
実はそれが登場した時点、遠目で見たところで真贋が判るんだそうです。
応募写真の隅にちらりと写ったお宝も見逃しません。

なぜ判るのか。
本物とは何か、偽物とは何か。

「見たら判るとしか言いようがない」という中島誠之助のものの見方・考え方は非常に厳しくて、一貫していて、なんだか艶や色香すら漂う風情。

先代の手によって、本物だけを見て育ったという生い立ちの一部が語られていて、
それがこの最強の審美眼を育てたんだなあと納得します。

そして、骨董という業界が意外とヤクザというか、カタギじゃない(同じことか)ということもよくわかりました。
■2/29読了