快読日記

読書とともにある日々のはなし

「『世界征服』は可能か?」岡田斗司夫 ちくまプリマー新書

2008年03月27日 | 漫画とそれに関するもの
《着地鮮やかな1冊。おすすめです》





「世界征服」を目指す戦隊モノやアニメの悪役は、まず近所の幼稚園の送迎バスを乗っ取ったりします。
小さなことからコツコツと、できることから始める真面目な人達なんだなあ、と感心する前に、そもそも彼らは世界を征服してどうしようというのでしょう。
話はそんな素朴な疑問からスタートします。
おもしろそうでしょ。
例に上げられる作品も豊富で、鋭い突っ込みにも愛があります。

わたしはそういったものに全く親しまない子供時代を過ごしてしまったので、初めて知ることばかりでしたが、それでもげらげら笑いながら読みました。
知ってる人だったらこの何倍も楽しめるでしょう。
笑っているうちに、後半、怒濤の持論展開に入ります。

テーマはズバリ、「現代社会において『悪』とは何か」です。
とても明解かつ的確な指摘で「なるほどね~」を連発してしましました。
それまでのおもしろエピソードたちが、筆者の主張の上に整然とまとまり、ストンと腑に落ちる、やっぱ読書はこうでなきゃと思います。
■2/7読了