※当ブログのシステム設定により、行途中でのスペースが意図したとおりに表示されないことがあります。英語の台詞や歌詞及び和訳ではおかしな表示が現れることになりますが、ご容赦ください。
(アンドレとフィルマンに主役を提示され、おだてられたたカルロッタはまんざらでもなさそうな雰囲気になってくる。アンドレとフィルマンはここぞとばかりに彼女をおだて上げる。)
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"PRIMA DONNA"
ANDRÉ/FIRMIN:(アンドレとフィルマン)
Prima donna, first lady of the stage! プリマドンナ、舞台の主役
Your devotees are on their knees to implore you! あなたのファンは膝まづいて歌を求める
ANDRÉ:(アンドレ)
Can you bow out when they're shouting your name? 皆があなたの名を叫んでいるのに、お辞儀をして舞台を去る?
FIRMIN:(フィルマン)
Think of how they all adore you! 皆どれだけあなたを崇めていることか
(フィルマンとアンドレ、両側からカルロッタの手を取り、舞台正面中央へと導く。)
BOTH:(二人)
Prima donna, enchant us once again! プリマドンナ、再び私たちを魅了してください
ANDRÉ:(アンドレ)
Think of your muse... あなたの魅力を考えてください
FIRMIN:(フィルマン)
And of the queues round the theatre! 劇場の周りを囲む人の列も考えてください
(気持ちがほぐれてきたカルロッタは一瞬満足げな笑みを浮かべるが、再び疑いを持った表情になる。)
BOTH:(二人)
Can you deny us the triumph in store? Sing, prima donna, once more!
私たちの限りない成功を否定するのですか プリマドンナ、再び歌ってください(途中、カルロッタの後ろからピアンジが二人の説得に加わる。)
RAOUL:(ラウル)
Christine spoke of an angel... クリスティーンは天使のことを言っていた
※この辺りから各自がそれぞれの思い等を語りだす。同じ旋律で違う台詞を同時に歌ったり(このサイトでは文字で同時性を表現するのは不可能)、ハーモニーにしたり、カノンのように同じ旋律が追いかけたりと、ストーリーの本筋以外の言葉はなかなか聞き取りにくい。しかし、「プリマドンナ」はこのミュージカルの曲の中でも傑作の一つと言ってもいい。
CARLOTTA :(カルロッタ、勝ち誇ったように自分自身に)
Prima donna, your song shall live again! プリマドンナ、歌は生き返るわ
ANDRÉ/FIRMIN:(アンドレとフィルマン、カルロッタに)
Think of your public! 聴衆のことを考えてください
CARLOTTA:(カルロッタ、自分自身に)
You took a snub, but there's a public who needs you! 嘲笑もされたけど、必要としてくれる聴衆もいるわ
GIRY:(マダム・ジリー、クリスティーンについて)
She has heard the voice of the Angel of Music... 彼女は音楽の天使の声を聞いてきた
ANDRÉ/FIRMIN:(アンドレとフィルマン、カルロッタに)
Those who hear your voice liken you to an angel! あなたの声を聞いた者はあなたを天使に見立てる
CARLOTTA:(カルロッタ、自分自身に)
Think of their cry of undying support! 絶えることのない応援の叫びを考えなさい
RAOUL:(ラウル)
Is this her Angel of Music...? これが彼女の音楽の天使なのか?
ANDRÉ:(アンドレ、フィルマンに)
We get our opera... 我々にはオペラがある
FIRMIN:(フィルマン、アンドレに)
She gets her limelight! 彼女は脚光を浴びる
CARLOTTA:(カルロッタ)
Follow where the limelight leads you! 脚光を浴びる場所を辿るの
MEG:(メグ)
Is this ghost, an angel or a madman...? 幽霊、天使、それとも狂人?
RAOUL:(ラウル)
Angel or madman...? 天使、それとも狂人?
ANDRÉ/FIRMIN:(アンドレとフィルマン)
Leading ladies are a trial! 一流の女性は試練のようなもの
CARLOTTA:(カルロッタ、自分自身に)
Prima donna, your song shall never die! プリマドンナ、あなたの歌は決して息絶えることはない
(舞台上手の方に人間の首から下が隠れるほどの衝立が用意されており、カルロッタは自信たっぷりな表情でそこへ向かう。)
MEG:(メグ)
Voice of hell, or of heaven...? 地獄の、それとも天国の声?
GIRY:(マダム・ジリー)
Heaven help you those who doubt... 天は疑う者を助ける
CARLOTTA:(カルロッタ)
You'll sing again, and to unending ovation 再び歌って終わりのない喝采を浴びるの
RAOUL:(ラウル)
Orders! Warnings! Lunatic demands! 命令!警告!気違いじみた要求!
GIRY:(マダム・ジリー)
This miscasting will invite damnation... この間違った配役は非難を浴びるわ
(衝立の後ろに体を隠したカルロッタは衣装係から、着替えをしてもらう。)
ANDRÉ/FIRMIN:(アンドレとフィルマン)
Tears... oaths... lunatic demands are regular occurrences! 涙...誓い…気違いじみた要求はいつものことだ
MEG:(メグ)
Bliss or damnation? Which has claimed her...? 至福それとも懲罰、どちらが彼女にやってきたの
CARLOTTA:(カルロッタ、自分自身に)
Think how you'll shine in that final encore! カーテンコールでいかに輝くか考えなさい
Sing, prima donna, once more! プリマドンナ、再び歌いなさい
GIRY:(マダムジリー)
Oh fools, to have flouted his warnings! あぁ、愚か者たち、彼の警告を無視したなんて
RAOUL:(ラウル)
Surely, for her sake... 必ず彼女のために…
MEG:(メグ)
Surely he'll strike back. 必ず彼は仕返しをするわ
ANDRÉ/FIRMIN:(アンドレとフィルマン)
Surely there'll be further scenes - worse than this! 確かにこれよりもひどい新たな局面が来る
GIRY:(マダム・ジリー)
Think, before these demands are rejected! 要求を拒否する前に考えなさい
RAOUL:(ラウル)
...I must see these demands are rejected! 要求を拒否しなければならない
MEG:(メグ)
...If his threats and demands are rejected! もし、彼の脅しと要求が拒否されれば
(衝立の陰ではカルロッタが着替えのため両腕を高く上げている。衝立の両側に来たフィルマンとアンドレはカルロッタの機嫌が直ったことに安心してか、クリスティーンとラウルに関して悪口を口にする。)
ANDRÉ/FIRMIN:(アンドレとフィルマン)
Who'd believe a diva happy to relieve a chorus girl, who's gone and slept with the patron!
歌姫たる者がパトロンと寝たコーラスガール(暗にクリスティーンのことを言っている)に代わって喜ぶと思う者は誰かいるだろうか
Raoul and the soubrette, entwined in love's duet!
ラウルとメイド(これもクリスティーンのこと)、愛のデュエットに絡み合って
Although he may demur, he must have been with her!
彼(ラウルのこと)は異議を唱えるかもしれないが、彼女と一緒だったにちがいない
MEG/RAOUL:(メグとラウル)
Christine must be protected! クリスティーンを護ってあげなければ
ANDRÉ/FI RMIN:(アンドレとフィルマン)
You'd never get away with all this in a play, but if it's loudly sung and in a foreign tongue, it's just the sort of story audiences adore, in fact a perfect opera!
演技の中でこれら(ゴシップや酷評やいざこざ等のことだと思われる)から全て逃れることはできないが、外国語を使って(カルロッタが)大きな声で歌うなら聴衆が称賛するストーリー、いわゆる完璧なオペラになる
(カルロッタは衣装係によって彼女の毛皮のコートで頭部も隠される。)
RAOUL:(ラウル)
His game is over! 彼のゲームは終わりだ
GIRY:(マダム・ジリー)
This is a game you cannot hope to win! これは勝つことが期待できないゲーム
RAOUL:(ラウル)
And in Box Five, a new game will begin... そして、5番ボックス席で新しいゲームが始まる…
GIRY/MEG:(マダム・ジリーとメグ)
For, if his curse is on this opera... 彼の呪いがこのオペラにかかっていれば…
(ここでカルロッタの頭部を隠していた毛皮が除かれ、衝立も持ち去られると、18世紀ヨーロッパ、特にフランスの女性貴族がしていた髪を高く上げたヘアスタイル、そしてパニエを装着した衣装で伯爵夫人を演じるカルロッタが現れる。)※パニエとは、ドレスのスカートを膨らませるためにその下に装着する一種の下着。
ANDRÉ/FIRMIN:(アンドレとフィルマン)
Prima donna, the world is at your feet! プリマドンナ、世界はあなたの足元に
A nation waits, and how it hates to be cheated! 国民は待っています、不正は許されない
CARLOTTA:(カルロッタ)
The stress that falls upon a famous prima donna! 有名なプリマドンナに課せられたストレス、
Terrible diseases, coughs and colds and sneezes! 恐ろしい病気、咳、風邪、くしゃみ、
Still, the driest throat will reach the highest note, in search of perfect opera!
乾いた喉さえ完璧なオペラを求めて最高音に届く
(支配人たちに両手を持たれたカルロッタは舞台中央へと、自分が正真正銘の主役とばかりに大きく歩み出る。)
MEG/GIRY:(メグとマダム・ジリー)
...then I fear the outcome... 結果が怖い…
RAOUL:(ラウル)
Christine plays the pageboy, Carlotta plays the countess... クリスティーンが小姓役でカルロッタが伯爵夫人…
GIRY:(マダム・ジリー)
...should you dare to... あえてそうするなら…
MEG:(メグ)
...when you once again... 再び…
ALL:(全員)
Light up the stage with that age-old rapport! Sing, prima donna, once more!
昔馴染みで舞台を照らそう プリマドンナ、もう一度
(この様子を見ていた怪人は、自分の要求が通らないと知るや、宣戦布告をする。)
PHANTOM'S VOICE:(怪人の声)
So, it is to be war between us! If these demands are not met, a disaster beyond your imagination will occur!
そうか、お前たちとの闘いだ 要求が満たされなければ想像を絶する災害が起こるであろう
ALL:(全員)
Once more! もう一度
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観客の拍手喝采が少しの間続くうちに舞台が暗くなり、登場人物が去り、第9場の場面設定が行われる。
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