※当ブログのシステム設定により、行途中でのスペースが意図したとおりに表示されないことがあります。英語の台詞や歌詞及び和訳ではおかしな表示が現れることになりますが、ご容赦ください。
また、英語学習者のために、英語の構造や語感をやや残した和訳にしました。日本語にない、日本語らしくない言い回しが多く出てくることになります。プロの翻訳家の和訳を楽しみたい方は是非ロンドンでの25周年記念公演のDVDを手に入れてください。
(ひざまずいたハンニバルが苦労しながらも腰から短剣を抜き、右手に持った短剣を高く上げてリハーサルも一区切りとなる。音楽監督レイエが満足げに皆に声をかける。ほぼ同時に支配人のルフェーブルが新しい経営者のアンドレとフィルマンを伴って舞台に現れる。)
REYER:(レイエ)
Hey! Hey! We’re doing that all again! Thank you very much. You were very good. This song is marvelous. Thank you.
そう、そう。もう一度やろう。とても良かった。この歌はすばらしい。ありがとう。
LEFÈVRE:(ルフェーブルがアンドレとフィルマンに)
This way gentlemen, this way. Rehearsals, as you see, are under way, for a new production of Chalumeau's 'Hannibal'.
こちらです。ご覧のとおり新作、シャルモー作「ハンニバル」のリハーサル中です。
LEFÈVRE:(ルフェーブルがリハーサルをしている出演者全員に)
Ladies and gentlemen, Ladies and gentlemen, please … Ladies and gent… Madame Giry.
皆さん、どうか皆さん。… (多くの出演者はルフェーブルに気づかず騒がしいまま。)マダム・ジリー! (ルフェーブルはマダム・ジリーに声をかける。マダム・ジリーが杖で舞台の床を突くと皆は口を閉じる。
※Madame は英語の Mrs. に相当する仏語で、成人した女性に使われる。必ずしも既婚者に使われるとは限らない。)
LEFÈVRE:(ルフェーブル、発表する)
Thank you. May I have your attention, please? As you know, for some weeks, there have been rumours about my imminent retirement.
(マダム・ジリーに)ありがとう。(そして皆に)どうか聞いてください。知っての通り、この数週間私が近々引退するという噂が流れていました。
I can now tell you these were all true. And it is now my pleasure to introduce you to the two gentlemen who now own the Opera Populaire. で、その噂はすべて本当です。そして、皆さんに新しくオペラ座を経営する2人の方々をご紹介することを嬉しく思っています。
Monsieur Richard Firmin and Monsieur Giles André.
リシャール・フィルマン氏 と ジル・アンドレ氏です。 (※Monsieur は英語の Mr. に相当する仏語)
PIANGI:(ピアンジがルフェーブルに何か忘れていないかと言わんばかりに)
Oh, no, please. (と言ってカルロッタを指さす)
LEFÈVRE:(ルフェーブル、ピアンジに促されるように)
Gentlemen, Signora Carlotta Giudicelli, our leading soprano for 19 seasons now.
お二方、カルロッタ・ジュディッチェリさんです。19シーズン私たちの主役ソプラノ(プリマドンナ)をやっています。 (※Signora は仏語の Madame に近い伊語。必ずしも既婚者に使われるとは限らない。)
ANDRÉ:(アンドレ、さっそくカルロッタにおべっかを使う)
Of course, of course. I have experienced all your greatest roles, Signora.
もちろんです。あなたの演じる役は全て拝見しております。
LEFÈVRE:(ルフェーブルはピアンジを紹介する)
And Signor Ubaldo Piangi そして、ウバルド・ピアンジ氏です。 (※Signor は 英語の Mr. に相当する伊語)
FIRMIN:(フィルマン) An honour, Signor. 光栄です。
ANDRÉ:(アンドレ、カルロッタにおべっかを続ける)
If I remember rightly, Elissa has a rather fine aria in Act Three of 'Hannibal'.
記憶が正しければ、エリサは「ハンニバル」の第3幕でもっと素晴らしいアリアを歌ってますね。
I wonder, Signora, if, as a personal favour, you would oblige us with a private rendition?
個人的なお願いなのですが、もしよろしければ私達に歌っていただければ嬉しいです。
Unless, of course, M. Reyer objects...
もちろんレイエ氏が反対しなければですが。
CARLOTTA:(カルロッタ)
No, my manager commands... M. Reyer?
いいえ(反対するはずありません)。支配人の命令ですもの。レイエさん?
REYER:(レイエ) My diva commands. Will two bars be sufficient introduction?
歌姫の命令ですから。はじめの2小節で十分でしょうね。
FIRMIN:(フィルマン)
Two bars will be quite sufficient. 2小節なら十分だ。
(カルロッタ、ステージ用ストールを両手に持ってピアノの傍に歩み寄る。)
REYER: (レイエ) Signora? では…
####################
CARLOTTA:(カルロッタが歌い始める。実際には2小節以上になる。)
"THINK OF ME"
Think of me, think of me fondly, When we've said goodbye. さよならを言った後は 私のことを深く思ってね
Remember me every so often, Promise me you'll try. いつも私を思い出し、そうするって約束してね
On that day, that not so distant day When you are far away and free そう遠くないあの日、あなたは去って行った
(カルロッタ、アンドレに歩み寄りストールの片方をアンドレの肩に掛けるとアンドレはニヤける。)
If you ever find a moment Spare a thought for me 合間を見て、私のことも考えてね
(カルロッタは次にルフェーブルの方へ向かう。ルフェーブルはアンドレから外れたストールの片方をカルロッタに掛けてやる。)
Think of me, think of me warmly … 暖かい心で私を思って…
(ここで背景が描かれた幕が突然落ちる。)
※エリサとハンニバルが遠く離れている時にエリサが歌うアリア。このアリアの歌詞はシャニュイ子爵(ラウル)とクリスティーンの関係も暗示している。クリスティーンが後でこれを歌うことになるが、ラウルとは昔別れたままで、今でも彼のことを思っていることが後々見えてくる。
####################
MEG/BALLET GIRLS/CHORUS: (メグとバレリーナ)
The phantom of the Opera. He's there, the Phantom of the Opera...
オペラ座の怪人だわ。怪人がそこにいる。
FILMIN: (フィルマン、メグに)
Will you show a little courtesy! 少し静かに!
ANDRÉ: (アンドレ、メグに)
Mademoiselle, please! どうか静かに!(※Mademoiselle は英語の Miss に相当する語で仏語。若い女性に使う。)
LEFÈVRE:(ルフェーブル、カルロッタに)
Signora! Are you all right! 大丈夫ですか。
LEFÈVRE:(ルフェーブル、大道具主任のブケを呼ぶ)
Buquet? Where is Buquet! Get that man down here. (To ANDRE and FIRMIN) Chief of the flies. He's responsible for this.
ブケ? ブケはどこだ? そいつをここに来させろ。(アンドレとフィルマンに)大道具主任で、この責任があります。
LEFÈVRE:(ルフェーブル、ブケに)
Buquet? For God's sake, man, what's going on up there?
ブケか?一体上で何が起きているんだ?
最新の画像[もっと見る]
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます