あ可よろし

「あきらかによきこと」は自分で見つける・おもしろがる
好奇心全開日記(不定期)

JINとICOと対話集

2011-06-27 | 本(文庫本)
『JIN-仁-』完結。かなり面白いドラマでした。最終回の視聴率も良かったらしいですね。26%を越えたとか…。あれだけ面白いドラマなら当然のことだと思います。
龍馬も勝海舟も西郷さんも、NHKよりもずっと生き生きとしてイメージ通りに描かれていたし、まあ確かに「船中九策」にはなっちゃったけど、こっちの龍馬の方がずっと龍馬だったと思うんです。
どうも『タイムトラベラー』世代なもので、時空を超える物語には無条件でワクワクします。それが幕末が舞台の話だったりするから、ホント、たまりませんでした。
あ~、これで来週から日曜21時は『N響アワー』に戻れます。

桜の咲いている頃に、宮部みゆきさんの『ICO-霧の城』を読みました。
そう言えば宮部さんも時空を超える話、『蒲生邸事件』を書いていますが、こちらもラストがとても良いのです。『蒲生邸~』のふきさんと『JIN』の咲さん。同じ「手紙」で未来に戻って行った人に語りかける。切ないけどちっとも悲しくないんです。

で、『ICO』。いろんなタイプの話を書ける宮部さんの作品の中で、正直なところ、このジャンルは苦手です。なのに「宮部さんの新刊(文庫)」という理由で選んでしまい、読み始めて「あ、違った…」と思ったけど、せっかく読み始めたのですから、普通に読み終えました。
ファンタジーでアドベンチャーで、善悪がはっきりしていて、悪と戦う少年の成長を描いたもの…。と、何だかテレビゲームのストーリーのような気がしつつ読んでいました。そして読み終えて巻末の解説まで来てようやく、この物語がゲームのノベライズ作品だということを知りました。ゲームをする人であれば、最初からわかって読むのでしょうが、まったくやらないんですよ、私、テレビゲーム…。
そして思い出したのは、宮部さんはかなりのゲーマーであること。テレビゲームをやり始めたら、締め切りなんぞ完全に忘れて没頭してしまうのだとか。編集者泣かせですね~。
そもそも宮部さんが『ICO』を書くきっかけとなったのは、ゲームの「ICO」の体験版をプレイして、すっかりはまってしまったことからなんだそうです。その気に入りようは、予定されていた別作品の執筆を中止して(編集者泣かせですね~)、ゲーム制作スタッフに企画を持ち込んだほど。それだけの熱が入った作品ですから、面白くならないわけがないのです。

こういう作品も読むと、本当に宮部さんの多才ぶりを尊敬してしまいます。
同じくいろんなジャンルの小説を読ませてくれる作家・浅田次郎さんの、各界の著名人と繰り広げる対話集『すべての人生について』で、浅田・宮部の対談が実現しています。

私、お二人の大ファンですから、この企画は『JIN』同様、たまりませんでした。
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