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宮部みゆきさんの『名もなき毒』を読みました。
前回の読書記録『誰かsomebody』に続いての「杉村三郎シリーズ」2作目。先に読後の感想を記しておくと「あ~、しんどかった」ってところでした。
杉村三郎が勤める今多コンツェルン広報室にアルバイト採用された原田いずみは、質の悪すぎるトラブルメーカーだった。当然のように解雇されるのだが、そこからさらに悪質化する「報復」に広報室メンバーは苦しめられる。とくに彼女の連絡窓口になった杉村は、連続毒殺事件の被害者家族とも関わるようになり、両方の「毒」の解毒と謎ときを始める。
タイトルにあるとおり、この作品に流れているキーワードは「毒」です。無差別と思われる連続毒殺事件、原田いずみの中に巣食う毒、土壌汚染の得体のしれない毒に苦しめられる人々、闇夜に潜む毒、誰もが持っている心の中の毒……。
原田いずみの「毒」は強烈だけど「本当は誰でもが持っているのよ、毒」って言われているような気が、この長編作品の中にずっと潜んでいたので「あ~、しんどかった」となってしまったのかもしれません。まさに「毒気にあてられた」感じ。
前作で戸惑ってしまったのとは違い、本作での宮部さんは完全復活。原田いずみのキャラクター設定はやりすぎ感を感じてしまったけれども、他の登場人物の描き方はいつもながらの見事さでした。
少年を描くのがお得意の宮部さんですけど、本作ではおじさんが良かった。死をもたらす「毒」を抱えた私立探偵の北見一郎と、「毒」があるところが見えなかった運送会社の萩原社長。この2人がいたから、本作の味が一層深まったのではないかと感じました。毒気にあてられっぱなしな雰囲気だったので、とくに萩原社長の存在は救いだったかも。
さて次の「杉村三郎シリーズ」」に入ります、と言いたいところですが、先に読まねばならぬ文庫があるのです。それを読み終えるまで、杉村くんとはしばしのお別れ。
今年の読書の秋も充実しそうだな~。
前回の読書記録『誰かsomebody』に続いての「杉村三郎シリーズ」2作目。先に読後の感想を記しておくと「あ~、しんどかった」ってところでした。
杉村三郎が勤める今多コンツェルン広報室にアルバイト採用された原田いずみは、質の悪すぎるトラブルメーカーだった。当然のように解雇されるのだが、そこからさらに悪質化する「報復」に広報室メンバーは苦しめられる。とくに彼女の連絡窓口になった杉村は、連続毒殺事件の被害者家族とも関わるようになり、両方の「毒」の解毒と謎ときを始める。
タイトルにあるとおり、この作品に流れているキーワードは「毒」です。無差別と思われる連続毒殺事件、原田いずみの中に巣食う毒、土壌汚染の得体のしれない毒に苦しめられる人々、闇夜に潜む毒、誰もが持っている心の中の毒……。
原田いずみの「毒」は強烈だけど「本当は誰でもが持っているのよ、毒」って言われているような気が、この長編作品の中にずっと潜んでいたので「あ~、しんどかった」となってしまったのかもしれません。まさに「毒気にあてられた」感じ。
前作で戸惑ってしまったのとは違い、本作での宮部さんは完全復活。原田いずみのキャラクター設定はやりすぎ感を感じてしまったけれども、他の登場人物の描き方はいつもながらの見事さでした。
少年を描くのがお得意の宮部さんですけど、本作ではおじさんが良かった。死をもたらす「毒」を抱えた私立探偵の北見一郎と、「毒」があるところが見えなかった運送会社の萩原社長。この2人がいたから、本作の味が一層深まったのではないかと感じました。毒気にあてられっぱなしな雰囲気だったので、とくに萩原社長の存在は救いだったかも。
さて次の「杉村三郎シリーズ」」に入ります、と言いたいところですが、先に読まねばならぬ文庫があるのです。それを読み終えるまで、杉村くんとはしばしのお別れ。
今年の読書の秋も充実しそうだな~。