あ可よろし

「あきらかによきこと」は自分で見つける・おもしろがる
好奇心全開日記(不定期)

リアルなの?

2021-09-16 | 本(文庫本)
ブレイディみかこさんの『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』を読みました。
本作は小説ではありません。2019年の本屋大賞でノンフィクション本大賞を受賞しています。ノンフィクションって言よりもエッセーだなって思いながら読みました。

アイルランド人と日本人の子どもとしてイギリスで生まれ育った息子が通い始めたのは、多様な人種と家庭の貧富の差も激しい「元・底辺中学校」。思春期の難しい年頃なのにさらにややこしい学校環境にあるのだから、毎日何かしらの「事件」(ほとんどが人種問題)が起きている。そんな中でもアイデンティティに悩みながらも上手に乗り越えていく息子と、それを見守る日本人の母ちゃんの日々が綴られる。

本書を読むきっかけは評判が高かったから。イギリスという土地での話なので、日本とはまったく違う感覚になることも了解済みで読み始めました。了解はしていたけれど、読後はやっぱり「異文化過ぎてちゃんと理解できなかったわ」でした。
著者はこの本を通じてイギリスが抱えている人種問題を子どもの社会を通して具体的に挙げてくれています。それについて著者なりの解決策を模索し実行し、息子と一緒に乗り越えて行こうとしている。その姿勢は立派だと言わざるを得ません。
でもね、やっぱり心に響かなかった。何だろう、綺麗にまとめられすぎちゃいませんか、ってこと。現実はもっとドロッとしていてジメッとしていて、この親子だけがこんなにカッコよく生きていけているはずはないんじゃないのかな、って思っちゃったのです。小説じゃないから余計にそれが気になった。
それと、とにかく息子ちゃんができすぎなの。所謂「中坊」なのに人として既に悟り開いちゃっているみたいで、同年代の子どもとはまったく違う少年のように書かれているから、「ただの親の欲目だったりして」って思えたりもしたのでした。

久々にエッセーというジャンルの作品を読んだけど、モヤモヤするばかりで終わってしまいました。現実はもっと大変だと思うのよ。そこを知りたかったんだがな。
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