あ可よろし

「あきらかによきこと」は自分で見つける・おもしろがる
好奇心全開日記(不定期)

食べることは生きること

2019-09-16 | 本(文庫本)
渡辺淳子さんの『東京近江寮食堂』を読みました。
はい、お察しの通り、完全にカバーイラストにやられたパターンです。食べ物を題材にしたイラストのカバーはたくさんあるけれど、これほど食欲を刺激されたものはありません。豪華な料理のイラストにはそれほど心は動かないのに、この海苔を巻いたおにぎりと、そっと添えられた梅干し。最強!

還暦目前の妙子は、定年退職前の年休消化を利用して滋賀から東京へやって来た。上京の目的は、10年前に急にいなくなった夫を見つける手がかりを得るため。突然、夫・秀一からの暑中見舞いハガキが届き、その消印が「本郷」だったからだ。ところがアメ横で妙子は財布をスラれてしまう。途方に暮れる妙子だが、これをきっかけに千駄木で滋賀県公認宿泊施設「東京近江寮」の管理責任者をしている同世代の女性・安江と知り合う。

妙子さんは近江寮で安江たちに食事を作りながら、秀一の行方を探すのだけど、そう簡単に見つかるはずもありません。その間に起きる近江寮の宿泊者たちとのあれこれがアクセントになっています。そこには高齢者問題やLGBTなど、今の時代を生きる者として見ないふりはできないことも描かれます。
そして何といっても、妙子さんが作る料理の美味しそうなこと!
でも気になったのは、妙子さんが1回の食事のために作る品数の多さと豪華さ。食材を揃えるだけでもかなりの出費だと思うのですよ。「近江寮にそんな贅沢できる予算あったの?」って、ビンボー人は思ったのでした。
滋賀の郷土料理なんて縁がないのでほとんど食したことはないのですが(近江ちゃんぽんは食べたな)、焼サバそうめんは凄く食べたくなりました。本当に食べてみたい!
小説を読んで未知の味に興味が出るだなんて、ムクムク食欲が出てくるだなんて、まだまだ生きる気マンマンなのですわ、私。
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