会場は、東京ドーム。
さて、ここで問題です。
Q: このライスボウル、今年で何回目の開催となるでしょうか?
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A: 第60回
…素でびっくりしたんですけれども
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なにせ、第1回の開催が1948年(1月17日)ですよ?!
当初はオールスターによる「東西大学選抜対抗戦」だったそうですが、1983年から現在の形(学生王者と社会人王者との対戦)になったのだとか。
昨年は、社会人リーグ(Xリーグ)を2試合観ただけでしたが、正直それほどお客さんは入ってなかったんですよね。
ですが、今回は日本選手権にして第60回の記念大会。
1階席だけの開放だったとはいえ(後半から2階席も開放されましたが)、ほぼ満員の状態でした。
さて、肝心の対戦チームは、以下のとおりです。
・学生王者:法政大学トマホークス(以下、法政)
・社会人王者:オンワードスカイラークス(以下、OS)
余談ですが、オンワードスカイラークスって、2001年に誕生したチームなんです。
2つのチームが合併したらしいのですが、その元のチーム名というのが、
・オンワードオークス
・すかいらーくスカイラークス
…なんか、こう、すかいらーくの「二度手間感」がステキだね
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正直言いまして、わたくしどちらのチームにも思い入れがありません。
で、日本人らしく「判官贔屓」にしよう……かとも思ったのですが、「勝ち馬に乗る」ことに決めて、オンワードスカイラークス側の応援席(3塁側スタンド)から入場しました。
普通に考えると、社会人のほうが戦力はあるはずなんですよね。
ラグビーなんか、まさにそうじゃないですか。
そういう単純な考えだったのですが、まさかこんなに接戦になるとは
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しょせんは“にわかファン”ですので、詳しいルールはよく判りません。
そういう素人目で見た今回のライスボウルは、実に白熱した試合でした。
とにかく、法政の攻撃が多彩なんですよ。
・パスと見せかけて、QBがそのまま中央突破する。
・真横に出したパスを受けた選手が、サイドチェンジして走り込んでいく。
この攻撃が、けっこう効果的だったみたいです。
OSの守備陣が、うまく対応できていないように見えました。
一方、OSの攻撃は、まさに王道という感じ。
ロングパスを多用しているようにも思えましたが、基本的には“堂々たる”パス&ランを展開していました。
相撲にたとえるなら、堂々たる体躯の「横綱」OSに対して、小兵の「大関」法政がさまざまな策を駆使して、互角の戦いを繰り広げているような感じでした。
第3Q(クオーター)を終えて、23対23の同点。
第4Qで、法政がタッチダウン(TD)を決めて、ついに勝ち越し。
しかし、このあとのポイントアフタータッチダウン(PAT)を外してしまいます。
その後、OSもTDを決めて、同点に。
さらに、PATも決まり、この時点で30対29。
わずか1点差ながら、OSがリードを奪います。
で、
結局、このままOSが逃げ切って、優勝を果たしました。
ラスト5分の展開は、実にスリリングというか、まさにアメフトらしい「時間との戦い」になりました。
アメフトのプレイには「時計が止まるプレー」と「時計が止まらないプレー」の2種類があります。
拮抗した試合の終盤において、この両者の差は実に大きいんですよ。
勝っているチームは、当然のことながら早く時間を進めて逃げ切りたいわけです。
したがって、できるかぎり攻撃権を保持しつつ、「時計が止まらないプレー」を続けようとします。
今回のOSが、まさにこの「勝者のプレイ」を実践したんですよ。
残り2分を切ったあたりで、OSがファースト・ダウン(10ヤードの陣地を獲得するための、4回の攻撃権)を獲得します。
アメフトのルールでは、レフェリーのコールがあってから25秒以内にプレーを始めなければなりません。
ただし、「時計が止まらないプレー」後の再開であれば、ずっと時計は動いたままになります。
こういう時の定番として、「ニーダウン」というプレーがあるんですよ。
ボールを持っている選手が故意に膝をついた場合、そこでプレーは終了するのですが、このプレーは「時計が止まらないプレー」になります。
つまり、実質的なプレーを進行させることなく、時間だけを経過させることができるわけです。
この時点で、OSの勝利はほぼ確定的になり、実際に勝利しました。
こういう時間を使った駆け引きも、アメフト観戦の醍醐味なんですよ
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ともあれ、最後まで社会人王者を相手に接戦を繰り広げた法政チームの健闘は、絶賛に値します。
負けてしまえばそれまで、がスポーツの世界の鉄則かもしれません。
でも、この素晴らしいゲームは、2つのチームが作り上げた“作品”でもあります。
悔いの残る敗戦だったろうとは思いますが、第60回の記念すべき大会での、記憶すべき名勝負として、多くの関係者の記憶に残ることでしょう。
OSの選手&チーム・スタッフのみなさん、優勝おめでとうございます!
法政の選手&チーム・スタッフのみなさん、名勝負をありがとう!
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