とみしゅう日記

いちおう、ネットのおはなし

goo ブログでは、アクセス IP 数によるランキングを行なっています。
アクセス IP 数とは、単純に言うと「そのブログを見た人 (端末)」の数、ということになります。
つまり、同じ PC で同じブログを、一日に何十回覗いたとしても、アクセス IP 数は+1にしかならない、ということです。

まあ、いろいろと裏技もあるようなので、この数字が厳密な意味での「人気」に直結しているとは言えないみたいですが。

それはさておき、このランキングをボーっと眺めておりましたら、おもしろいことに気付きました。
最近話題になっている用語をタイトルに盛り込んだブログが、上位に入っていたのですよ。
ためしに覗いてみたら、「案の定」タイトルとは縁もゆかりもない投稿が並んでいました。
涙ぐましいというか、姑息というか、自分のブログを人気者にするために、こんなことまでするのか……と、呆れてしまいました。

goo ブログの場合、ランキング上位に入ったからといって何があるわけでもないようですが、他のブログになると賞金が出るところもあるそうです。
また、最近では人気ブログの単行本化も多いようなので、そこでの収入を目当てにしている人もいるのかもしれません。

糸井重里が言っていたように、自動販売機を置くなら、山奥よりも繁華街のほうがいいわけです (収入が見込めますから)。
テレビ CM は高額の媒体というイメージがあるのですが、視聴者の数で頭割りすれば、実はそれほど高くない、という話も聞いたことがあります。
まずは、大勢がいる場所に露出させる。
それが、人気を得るための基本であることは間違いないでしょう。

最近では、ブログやSNS、Web 2.0 などといった「クチコミ on the web」とでも言うべきネットワークが力を持ち始めているとかで、前述のように、ブログ発の本がヒットしたり、「のまネコ」のように良くも悪くも話題になる商品も出始めています。
昨日まで市井の一住人だった自分が、突然スポットライトを浴びる……そんなシンデレラ・ストーリーをより身近なものに感じている人もいるのでしょうね。
連続放火をやらかした女性も、そういう「被害者」(自業自得とはいえ)の一人であると言えます。

人気が出る、ということは「見ず知らずの他人が、自分のことを知っている」ということです。
ネットを通じて、人と人とが出会う。
こういう状況を、かつては「出会い系」などという言葉を使って、ネガティブに語られることが多かったはずです。
ですが、現在では、もはやそれほど珍しいケースではないでしょう。
事実、僕自身も、このブログを通して知り合った方々がいるわけですから。

ただ。

そこには、間違いなくデメリットも生じる、ということも忘れてはいけません。
光あるところに、必ず影はできるのです。

僕の場合、今のところそれほど大きな問題は起こっていません。
時折、謎の書き込みがあったり、意味不明なトラックバックがつくこともありますが、瑣末な問題に過ぎません。
ですが、たとえ匿名性の強いメディアであったとしても、言葉を駆使して何かを表現することの責任を感じずにはいられません。
自分が処理できないこと、責任が負えそうにないことについては、ブログには書かない。
そのことは肝に銘じています。

闇雲に誰かを侮辱したり、反対したいがためだけに反論を書き込んだり。
僕のように、それほどネットを見ない人間であっても、こういう悲しむべき状況はよく見かけます。
糸電話であろうと、光ファイバーであろうと、その先には人間がいる。
当たり前のことなんですよね。

他人様の家にお邪魔する際には、身奇麗にして、手土産を持って、笑顔でチャイムを鳴らすものです。
自分と他人とは違うものだという自覚があれば、少々の齟齬は笑って済ませられるはず。
自分と合わないと思ったら、何も言わずに立ち去ればよいではありませんか。
相手に向けた呪いの言葉は、必ずやあなた自身をも呪縛してしまうはず。
昔から言うではありませんか、「人を呪わば、穴二つ」と。

いろんなことが便利に行なえるようになったインターネットというメディアであっても、そこに携わっているのが人間である限り、「相手を敬う気持ち」をなくしてしまってはいけない、そう思います。
書き手に行間を読ませる文章力がなければ、できるだけ誠実に文章を書くしかないわけです。
反対に、読む側は文字しか頼りがないわけですから、抜けている「何か」があることを想定して、相手の書いたものを読み取っていくしかありません。

できるだけのものを、文字に込める⇔足りないものを補って読む

もちろん、ネットには禍々しいものもたくさん潜んでいます。
性善説でオール OK なんて考えられるほど、能天気ではいられません。

でもね。

自分を信じてほしかったら、やっぱり相手を信じるしかないんです。
相手との距離をちょっとずつでも埋めていくための努力を、怠ってはいけないのです。

その結果、合う、合わないが起こるのは仕方がない。
おいしい、まずいを判断するには、どこかの段階で口に運んでみる以外に方法がないのですから。

石橋を叩いて渡るもよし、自動車で突っ切るもよし。
仮に叩きすぎて橋を落としてしまっても、泳いで渡る手もないではありません。

適度な警戒心と、適度なホスピタリティーで、共に有意義なネット生活を送ろうではありませんか。
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