トマールの第1弾では、12世紀にテンプル騎士団によって建設された世界遺産の修道院をご紹介します。
トマールの丘の上、城塞の内部に建てられた修道院は14世紀初頭にテンプル騎士団が禁止された後は、ポルトガル王のディニス1世が
設立したキリスト教騎士団に引き継がれ、ポルトガル王室から歴代の団長を迎えています。
12世紀末から16世紀にかけて増改築を繰り返した修道院はムデハム様式(イスラム教徒キリスト教の融合建築様式)、ゴシック、ルネサンス、
マヌエル様式などが混在する複合建築となっています。
修道院の内部には、主回廊を始めに沐浴の回廊(現在は貯水池の跡が残る)、墓の回廊(修道士の墓所)、ミュシャの回廊、ジョアン3世の回廊などが
並んでいますが、最大の見どころはエルサレムの聖墳墓教会に倣って12世紀後半に造られたテンプル騎士団聖堂です。この聖堂はビザンチン風
ロマネスク様式となっており、8本の柱で支えられた16角形の円堂です。内部はゴシック様式/マヌエル様式の彫刻と絵画で飾られています。騎士団の
聖堂らしく、騎士たちがミサの最中でも緊急時にはすぐに戦いに赴くことが出来るよう、馬に乗って回りながらミサに参加したと言われています。
修道院の一部には天井が落ちてしまった教会の廃墟も残されていました。
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