山田玲司のヤングサンデーというチャンネルをたまたま発見しました。
どういうきっかけで発見したのか全く思い出せませんが、ここ一週間程度だと思いますが、何かを検索していた時にたまたま発見しました。以降、ラジオ感覚で作業中にかけたり、寝る前にかけてそのまま寝落ちした入りしています。
山田玲司氏は漫画家で、Bバージンという作品を高校生の頃に読んだことがあります。なぜか高校の教室においてあって、同時に読んだのがこれとカリモク独身寮でした。この作品に高校時代に出会ったというのが肝だったのかもしれませんが、その後に読んだ漫画の記憶に埋もれることなく、自分の頭の片隅に残り続けました。内容も多感な時期に読んだせいかなんとなく覚えています。というか、自分も大学に行ったらこんな世界に足を踏み入れるのかとも思いました(全く時代も環境も異なりましたが)。その後この作者の作品を読んだ記憶はありませんが、四半世紀の間にお互いにいろいろ経験を積んで(無論実際に会ったことはありませんが)ネット上で再会したという感じでしょうか。
漫画の枠にとどまらず、いろいろな分野の取材経験をもとに批評をしているようで、同意できない部分も無論ありますが、一番自分の心に残ったのがこの動画でした。自分は電ジニアリングに関わる仕事が長いわけですが、実はいわゆるビジネススクールと呼ばれる学校も卒業しており、この動画に出てきたビジネスの側面も理解できないわけではありません。いろいろ言っても「話題」を作り、人を動員出来ればお金が動くわけであり、その後がどうなろうと投資に見合ったリターンが見込めるのであれば動くというのはもっともです。感動は収益になるとは限りませんが、収益が埋めれば「感動を演出する」ことはできます。それが試写会で「最高」と叫ばされる動員された観客であり、実際の映画館はガラガラだったということなのだと思います。
その一方で「それでよいのか、映像産業はそんなことばかりやっていて今後発展していくのか」という問題意識もよくわかります。続編で表現したいものがあるからではなく、一作目を作ったら原作や出演者の評判から観客動員が伸びたので続編もやろうとか、大ヒットした原作漫画と有名声優や俳優という最大限の保険がかかった状態で失敗しないことを目的にして「人を感動させられるのか」という問題です。おそらくこれでやるとほとんどの映画が失敗すると思いますが、それでも生き残った映画は人を感動させるのだろうと思います。
自分の属するエレクトロニクスの世界だとよく引き合いに出されるのが「iPod」です。Sonyこそ作るべきだったというのがお決まりの批判ですが、これも「人がどうだろうと、自分はこういうものが欲しい」という原点がいつの間にかSonyからなくなってしまったことが本当の原因だと思います。「自分はこれが欲しかった、でっも世の中に自分が欲しいものがなかった、だから作った」という情熱がたまたま世の中の流れと一致した時に人を感動させ大ヒットをするのだろうと思います。これだけではSonyはやっていけないのだというのはその通りですが、だからこそ無数に生まれては消えていくベンチャーが必要なのだろうし、つぶれかかったアップルに再度創業者が戻ってベンチャーとして実質的に再出発できたからこその成功だったのかもしれません。また、ファンドや金融は批判されることも多いですが、こういう再出発やハイリスクに投資できる金融技術こそ今の日本に最も必要なのだろうと思うし、失敗した人からすべてを奪わない仕組みや文化が必要でしょう。それがないと失敗がない「焼き直し、こねくり回し」だらけになってしまい成長が止まってしまうのでしょう。
まさにこねくり回して過去を焼き直すことを自分自身も仕事で何度もやってきましたが、確かに死ぬ前に「自分はこれを世の中に生み出して残した」と思えることをしたいものです。
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