いまさらとは思いますが、2024年問題が騒がれています。自分の経験からすると、物流業界の問題はいろいろあり、クローズアップされている以外の部分でも問題が起きていると思います。
例えば倉庫で仕事をしたことがありますが、ドライバーが足りないことはクローズアップされても倉庫で働く人が足りないことはあまりクローズアップされません。アマゾンの影響なのか「機械化された倉庫で機械が荷物をさばいている」と漠然とイメージしている人が多いことに驚きますが、決してそんなことはありません。例えば、自分が長いこと関わっている電子部品の業界の場合は、梱包が同じサイズになっていて機械が扱いやすくなってはいますが、一方で生鮮食品のようなものは機械が最も苦手とする分野で人間がやらざるを得ません。また宅配便のようなものは梱包サイズがバラバラで仕向け地も多岐にわたり、膨大な量の仕分けが必要になりますが、これも機械が苦手とするところで人がやります。また、トラックに積む際にカートへ荷物を載せてからカートをトラックに積むわけですが、大きさがバラバラの荷物を隙間なく効率よくカートへ積む作業も機械が苦手で人間がやらないとできません。
おそらく何十年もたてば変わると思いますが、直近でいえば人間が必要になります。しかし少なくとも首都圏の場合、もはや日本人の働き手が集まらず、現場は外国人が支えています。かろうじている日本人も、定年退職した後のシニア層が多く、その多くも間もなく後期高齢者になります。外国人もおそらく自分が子供の頃来日した世代の子供世代(所謂移民2世)もかなり多く、よく問題にされる技能実習生ばかりではありません。これも実は大きな問題だと思っています。というのも、物流でものが源流から最終消費者へ届くまでにに何回か倉庫を通過しますが、源流は首都圏というより基本的に地方にあります。当然地方の方が人口減少や現役世代の人口減少が深刻なわけで、下手をするとドライバー以前に物流機能そのものが維持できなくなる可能性があります。
現時点では何とかなっているのかもしれませんが、首都圏でも他人事ではなく、これから急速に東京も高齢化することを考えると同じ事が起きる可能性があります。DXなども重要だと思いますが、やはり直近では大規模な労働移動が起きないと問題は解決しないと思います。おそらくこれからの10年間は今まで当たり前にあったサービスが終了していくことになると思います。
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