育パパの一喜一憂----大陸編

育児をするパパのことを育メンというらしいのですが…

地溝油の品質

2012年11月22日 | ニュース
以前にもブログで紹介したことがありますが、中国では下水道の廃油や残飯などを原料とした「地溝油(下水油)」が食用油として市場に出回っていることが大きな社会問題となっています。でも実はこれら「地溝油」は食用油としての検査基準を軽々とクリアしていたことが分かって結構なニュースになっています。(南方日報から)



「地溝油」の作り方はさまざまで、その成分も一定していません。下水からすくった廃油や残飯を水できれいに洗い、蒸留、脱色などの加工を施したり、本物の食用油と混ぜたりすることにより作られます。素人が見ても全く分からないそうです。ではどうして今回のようなニュースになったのでしょうか。



実は少し前に摘発・押収した「地溝油」から採取したサンプル10点のうち、食用油として基準に満たなかったのはわずか2点。重慶で摘発された事件でも、警察の調べで「地溝油」であることは明らかなのに、中国政府が定める食用油の検査基準ではほぼすべてが「合格」だったらしい。



当然検査で引っかからなければ、そのまま市場に流れてしまいます。業者がこれは食用に適した油だ!と言い張ればそれが嘘だと言うことを確かめる方法はないという。 る「食用植物油の衛生基準を調べる分析方法」(GB/T5009.37-2003)

ほな、検査はOK。味も変わらない。この油は問題ないのではないでしょうか。いえいえ、ヒ素の百倍も毒性が高く、地上最強の発がん性物質とも呼ばれるアフラトキシンが含まれているこの油は毒物としか言いようが無いのです。


関連の報道を見ていると、なぜリサイクル食用油が作られるのか?という記事もありました。これには中国人の飲食習慣が関係しているといいます。食べきれないほどの料理を出すのがおもてなしという文化があり、客も料理を食べきっては失礼にあたります。特に接待ではこうした問題は驚くほど深刻で、こうして余った食料もリサイクル食用油の材料になっています。昔は「金持ちは余った肉を腐らせ、道には餓死者がいる」世界だったそうですが、技術が発達した今では、腐った肉はハムとなり、リサイクル食用油となって餓死者は減り中毒死者が増えています。(当然、地溝油の原料は残飯だけではないのです)

また、この問題の背景には中国人が拝金主義になったことがあげられています。金が全てで正否も信仰もなければ、美醜も善悪もない。もし本当なら恐ろしい。社会的責任が全くないので、「人にして欲しくないことは、人にしてはならない」という感覚は無い。今や農薬漬けの野菜を作り、リサイクル食用油を使った食品を売り、メラミン入りの粉ミルクを作る。自分では食べられなくても人に売ればいいという考えなのでしょうか。



一般のスーパーで売っている安全であろうと言われる油です。
これはとうもろこしのサラダ油。5リットル50元位。


これは落花生のサラダ油。個人的にはこっちが好きです。以前いろいろあったメーカーですが、信頼は徐々に回復しているそうです。かえって問題を起こした後のメーカーのほうが安全に真剣に向き合うようになっていて安心できるかも?しれません。これも5リットル60元程度ですね。地元の中国人の家庭では約1週間から長くて2週間で使い切るそうです。



明日は怖ーい食べ物のお話。




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