【申告】
動きません。
【診察】
購入されて15年ほど経過しています。
mikiHOUSE ブランドで発売されていたパズルで、合板を貼り合わせて作られています。6つののりもののピースをはめると、そののりものの音が鳴る仕掛けです。
裏面を見ると電池BOXのふただけが見え、電源スイッなどはありません。
ところが、ふたを開けるとなぜか電池が1本だけ液漏れ状態で入っていました。
いつからこの状態だったかはわかりませんが、ひどい状態です。いつもならば、電極を交換する状態です。ところが、今回は構造上簡単に電池BOXを外したり内部を見たりできません。分解するには、裏面から穴を開ける他ないのです。穴あけ場所や穴あけ方法、最後修復方法などが頭を駆け巡ります。
まずは、電池BOXだけの問題か、内部の回路にも問題を抱えているのか、信ぴょう性はやや低いですがユニバーサル電源を電極に接続し音が鳴るか確認しました。すると音が鳴りましたので、電池BOXだけの問題のようです。
残るは、裏蓋を開ける治療方法は避けたいので、さび落としをしてみて電極が折れてしまったり負極ばねの弾性力がなくなるようであれば止む無しとして、さび落としを始めました。
さび落とし剤は、いつもの ”サビ取り職人” です。
内部にしみこんでいくためサビ取り職人の液を直接かけることはできず、綿棒にしみ込ませ気長なさび落としです。何度も綿棒を代えひどいさびを落とすことができました。見づらいですが画像の綿棒の色が紫色に変わっているのがわかると思います。綿棒が紫色にならなくなればさび落としは終了です。幸いにばねが折れてしまうほど腐食も進んでいなかったようです。外見は黒っぽくなっていますが使用できそうです。
正極側も同様に処理しました。オイルを防錆剤として塗布して終了です。
これで、電極のさび取りも終え電池を入れると無事に、音が鳴りだしました。
【治療後記】
購入して15年ほど経過していますが、外観はきれいなままでした。最初は、切開方法と閉腹方法をどうしようとあれこれ考えましたが、幸いに切開をしなくて済み何よりでした。
今回のような、電池からの液漏れ病がなくなればおもちゃドクターの仕事の半分はなくなるでしょう。みなさん電池の入れっぱなしはやめましょう。
【おまけ】
・このおもちゃは、ピースを外した状態からはめ込むとそれぞれの乗り物の音が鳴ります。この仕組みは次のようにCdsセンサーが埋め込まれていて、ピースがはめ込まれると光が閉ざされるため、Cdsセンサーが反応しマイコンが検出して音を鳴らしています。
ご家庭などで、暗くなるとランプがつくものにも利用されています。
・サビ取り職人 の情報です。
液は無色透明で中性です。ただ、硫黄のような臭いがしますので換気に注意してください。詳しくは、下記のメーカホームページを参照ください。