【申告】
いろいろなおしゃべりをするのですが、一種類しかしゃべらなくなりました。
頭が動いているときに無理やり押さえ付けたことが有り、それから今の状態になったように思えます。
【初診】
電源スイッチを入れると、頭部を右旋回、左旋回後に何をしゃべっているかはわかりませんが、短くしゃべってその後の動きはありませんでした。
ユニバーサルスタジオジャパンで販売されているミニオンと思われます。
まずは、電源電圧が低下しているのかと電池、電極を確認しましたが異常は確認出来ませんでした。
次に、内部を開けて確認していきます。
内部の部品を確認すると、制御基板、スピーカ、マイク、モータ、スイッチ、電池ボックスだけです。しかも、動きに関わりの有りそうなのは、頭部の位置検出用と思われるスイッチだけです。
そこで、このスイッチは正常に機能しているかを確認すると、スイッチレバーが押されていてもスイッチ接点が閉じていませんでした。スイッチの内部を確認すると、折損が確認出来ました。
スイッチを交換して、動作を確認するとミニオンのおしゃべりは復活しました。
このスイッチは、正面を向いた時に接点が閉じて、左右を向いたときは接点が開く様になっています。電源ONで初期位置を検出するために右旋回、左旋回をするのですがスイッチが閉じないためにプログラムが先に進まなかったと思われます。
【治療後記】
ユニバーサルスタジオジャパンで販売されている物らしく、隣の国のおもちゃに慣れてしまっているとホッとするような安心できる ”ものづくり品質” でした。
頭を押さえ込んだため不具合になったかと心配されていましたが、過負荷の対応としてトルクギヤがあるので今回の病気とは無関係です。
また、元気におしゃべりをいっぱいしながら遊んでください。
【おまけ】
ミニオンは、左右旋回すると基本顔が上を向きます。しかし、左右旋回状態でも正面視することもあります。これらの仕組みについて見てみましょう。
まず、左右旋回時に顔が上を向く仕組みです。
正面を向いているときは、部品Aはバネにより引っ張られていて水平状態です。
他方、左右に向いているときは、部品Aには空間ができバネにより引っ張られ跳ね上げられます。この状態が上を向いている状態です。
次に、左右旋回状態で正面視をする時の動きです。
モータの回転はギヤBOXのギヤから部品Cに伝えられ、部品Bと部品Cは、部品Cの突起Aによりトーションバネで一体化して回転をします。
左右旋回をするときは、頭の位置検出スイッチの情報により行われます。この時さらに部品Cをトーションバネの力に打ち勝って回転させると、部品Aとの隙間が無くなり部品Aが水平状態になるという仕組みです。
2024/04/24 ”制御基板接続図”マイク記号修正