【申告内容】
ひだり後足が動かなくなりました。
【初診】
ゼンマイで歩く恐竜です。後足がぷらぷら状態です。他の3本の足は動きます。内部はカムとリンクで動いているでしょうから、リンクが外れているかリンクの結合ピンが折れているかが想定されます。
内部を検査します。
前後の足をつなぐリンクとつながる後足のピンが折れていることがわかりました。ピンにΦ1.0の穴を開け、Φ0.8の芯を入れ接着しました。
これで、治療は終了です。
【おまけ】
歩行のしくみを考えてみましょう。
左右の足の動きを分けているのは、ギヤの回転軸に偏心している円板のカムで実現しています。
後足は、振り子運動のように前後に動くだけです。前足は,円運動による足の上げ下げと共につま先の上げ下げをしています。
つま先上下ピンとそのピンが摺動する溝により前足の動作が行われています。
【治療後記】
今のおもちゃの多くは、電池を使用するそのおもちゃ用のマイコンとソフトウェアで動くものです。ですので動作のしくみが目ではわかりません。具合が悪くなれば、”壊れた”でおしまいです。この恐竜のように動作のしくみがわかるおもちゃでないと子ども達のなぜだろう?という疑問に発見の喜びはありません。おもちゃドクターの多くもこのような考えをお持ちの方が多いのではないでしょうか。まだまだ、生き残ってほしいおもちゃです。