【申告内容】
電源スイッチをいれても動きません。
【初診】
2012年のおもちゃです。二昔以上前にテレビ番組で”いらいら棒”というゲームが有りました。これは、金属製コースフレームに電極棒を入れ、その電極棒をコースフレームや障害物に当たらないようにゴール地点まで持ち運ぶというゲームでした。今回の患者さんは、これをテーブルゲームにしたようなもののようです。とりあえず、しくみは後回しにして動くようにしましょう。
電源系の確認をしてゆきます。
電池電圧に問題はありません。電源BOXには、錆びなどの問題もありません。内部を確認してゆきます。
操作スイッチは、電源スイッチ、難易度切替スイッチそしてスタートスイッチです。テスターで電源スイッチの動作チェックをすると導通が確認できません。このスイッチから検査治療を始めます。
接点が酸化して導通がとれなくなっているようなので、さび取りをします。このスイッチの接点部のような平らなものは紙ヤスリなどで軽くこすっても良いのですが、摺動子や電池端子のマイナス端子のような形状のものは簡単にはいきません。今回の摺動子も力を加えられないので液状のさび落とし剤を利用します。私は、”技職人魂シリーズ サビ取り職人”という商品を使用しています。硫黄のような臭いがするので狭い空間では使用しない方が良いと思いますが、私は使いよいです。
さび落としをしてから、接点グリスを接点に塗布し摺動子と慣らし組み立て開閉動作を確認しました。他の、難易度切替SWは動作を確認できましたが予防保全として接点復活剤を塗布しました。
ゲーム機の電源が入るようになりました。
【おまけ】
どういうしくみか見てみました。
盤面の溝をお宝コマをトングでつまみ口の部分まで運ぶのですが、とくにお宝コマには、特にしくみはありません。
盤面の板の裏に圧電素子が張り付いていました。しくみとしては、お宝コマを盤面の溝に沿って動かすときに接する音の振動を圧電素子の電圧として検知しているようです。
圧電素子は、変位と電圧を相互に変換できる性質を持つものです。身近なところでは、100円ライターやインクジェットプリンターなどでも使用されています。
【治療後記】
もっと複雑なしくみかなぁと思っていましたが、簡単なしくみでした。一番簡単なモードでトライしてみましたがすぐにガイコツに見つかってしまいました。(>_<)