東洋はり医学会 大阪支部

(一社)東洋はり医学会は60年、大阪支部も50年以上、経絡治療はり専門臨床家の学術を支えてきた勉強会・講習会の団体です。

1月21日支部会の感想 東洋はり医学会大阪支部

2018年02月05日 20時56分27秒 | インポート
1月のメニュー

午前

3分間スピーチ
大阪支部総会

午後より  

2018年の支部年間研究テーマ・リハーサル
実技基礎班「標治法全科(小里方式)1」






(その1)

午前は、3分間スピーチと総会でした。

3分間スピーチは、ジャネーの法則のお話でした。

ジャネーの法則とは、

年をとってくると、一年が早く経つように感じる。という事を

時間の心理的長さは年齢に反比例する。と、心理学的に説明したものだそうです。

このようなことに、名前がついていたとは思いませんでした。



総会は、大阪支部の昨年の運営等の報告。

及び、今年の計画を会員で話し合いました。



午後からは、実技でした。

支部の年間研究テーマの

刺鍼と脈状の変化の検証 その4 ということで、

刺鍼の角度、深さ等による脈状の変化を診てい きます。

刺鍼一つでも、細かく見るといろいろな要素が重なり合って、

効果を発揮しますので、良い状態を感じていきたいと思います。



最後は基礎班、補助療法を中心とした、「標治法全科(小里方式)1」の実技でした。

模擬患者に対しての補助療法を選んで行います。

今回、食べすぎに対して奇経治療を行いました。

奇経治療での術者は、初めてでしたので、主穴、従穴を付け変えると、脈が変化するのを感じられました。

その後、腹部、背部に対して、散鍼を行いました。



毎回、新しい発見と疑問で会での一日は早く感じます。

また、次回もジャネーの法則に反する様に、好奇心を持って参加したいと思います。





(その2)

午前は3分間スピーチ「ジャネーの法則」についてと、

総会が行われました。



 ジャネーの法則は、歳をとるごとに年月の経過を早く感じる一方で1日の経過は遅く感じてしまう現象を心理学的に説いたものでした。

 幼少期は、種々事象に遭遇する経験は総てが新鮮で印象(記憶)に残りやすいが、歳を重ねると共に様々な経験を積み理解する事が種々事象を過去の類似体験と混同させ、上書きされる程度となり、印象に残りにくくなる。

 この様な、印象・記憶に直結する経験(刺激)に対する感受性の低下が年々増す事により、主観的に体感する年月の経過は早く感じてしまうとの事でした。

 私自身、年々斯くの如き現象を実感する次第ですが、今年一年、新鮮で充実した日々を過ごせるよう、幼心を思い出し、物事を捉える事が出来ればと思った次第です。



午後からは、実技で今回は「標治法全科(小里方式)1」

が行われました。



腰痛の症状を持つ模擬患者さんに対して、先生方の指導のもと、患部への刺鍼を実践しました。

左手の手指にて患部周辺を触察し、その虚実を探り、補瀉治療すると云った内容でしたが、特に虚を触知する事がとても難しく、困惑しました。

 自分は平生より切経の際、手指に力が入る事が多く、又、緊張すると手汗が出るので、これでは虚を捕らえる事は難しいようです。



後程、何事も熟達すればリッラクスして事に当たれる旨、助言頂きましたので、今後練習を重ね、虚実の判別が出来るように努力する次第です。





東洋はり医学会 趣意書

 文化の進展は瞬時の猶予をも許さず、今や鍼灸術も世界の医学界に登場するところとなった。

 翻って国内においては、これが科学化の掛け声と共に種々な研究が進められてはいるが、その大勢は鍼灸の臨床における諸現象を現代医学によって解明せんとするものの如くである。即ち、経穴を刺激の部位となし経絡はほとんど顧りみない状態であるが、かくては数千年の伝統を誇る東洋医学の真髄を学ぶことは全く至難となる。

 病体を気血の変動とし、その病変を経絡の虚実として統一的に把握し経穴を診断と治療の場として補瀉調整する経絡治療こそ鍼灸術本来の正道である。しかして、この学理と術技を体得せしめて、真に病苦除去の実力ある鍼灸人を育成することこそ、その科学化に優先すべき必須要件であるが、不幸にしてこれを誤る時は、その鍼灸術、すなわち我が祖先の偉大な文化遺産を後世に伝承することは全く不可能となる。

 ここにおいて、我々志を同じうする者、相図って東洋はり医学会を結成し別紙綱領の完遂を期す。

 以上の主旨を諒とせられる同志は、来って本会に投ぜられんことを広く業界の諸君に訴える次第である。


綱  領

1.我々は臨床を通して古典を再検討し、病体を通じて経絡経穴を把握し、以て伝統的な鍼灸術の本道を体得せんことを期す。

1.我々は正しい経絡治療の学理と術技を修得することによって、鍼灸人としての人格と実力を涵養し、以て鍼灸家の社会的地位を確立せんことを期す。

1.我々は古典による経絡理論を正しく理解実践し、経絡経穴の普及啓蒙に努め、以て偉大な祖先の文化遺産を伝承せんことを期す。



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