11月に入り、八甲田連峰の中腹に潜む蔦沼を訪れた。雪が積もる前の駆け込みなのだろうか、蔦温泉には人々が多く訪れていた。ブナ林の多くは落葉し、八甲田連峰の山頂には冠雪を迎えており、大自然の冬支度はすっかり万端のようだ。
八甲田連峰の頂きに佇む睡蓮沼に立ち寄ると、その周りがうっすら雪化粧していた。そこからほど近い地獄沼では、10月に見たブナ・ナラ・カエデ・ダケカンバの燃えるような紅葉はすっかり終わりを告げ、モノトーンの冬景色を待つばかりだ。
八甲田連峰から弘前市に入ると季節が戻り、宴もたけなわの弘前城菊と紅葉祭りを訪れた。
弘前公園は、1000本の楓、2600本の桜が美しい色を放ち、さながら饗宴の舞台だ。弘前城菊と紅葉まつりは、紅葉を楽しみ、菊を持ち寄って品評会などをおこなっていた観楓会が発展し、昭和37年(1962)に「菊ともみじまつり」の名称で始まったのが由来という。
2018年11月