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首相「理解してもらうよう努力」 米の「失望」表明受け
日本経済新聞2013/12/27 19:27
安倍晋三首相は27日、自らの靖国神社参拝を巡り米国務省が在日米大使館と同様に「失望」を表明したことに「戦場で散っていった方々のためにご冥福を祈り、手を合わすのは世界共通のリーダーの姿勢だろう。そのことを誠実にこれからも理解してもらうように努力していきたい」と述べた。首相官邸で記者団の質問に答えた。
(以下、中国外相の外交攻勢と各国の反応)
靖国参拝を批判、歴史問題で共闘確認…中露外相
(2013年12月31日22時00分 読売新聞)
【北京=牧野田亨】中国外務省によると、中国の王毅ワンイー外相は12月30日夜、ロシアのラブロフ外相と電話会談した。
双方とも安倍首相の靖国神社参拝を批判し、第2次世界大戦の戦勝国として歴史問題で共闘する方針を確認した。中国は「参拝は戦後の国際秩序への挑戦」との対外宣伝を展開し、日本包囲網を築く構えだ。
会談では、王外相が「国際正義と戦後の国際秩序を守ることは戦勝国であり、国連安保理常任理事国である中露の国際的責任、義務だ」と強調。ラブロフ外相も「この問題での立場は中国と完全に一致する」と応じ、「日本が誤った歴史観を正すよう促す」と述べた。
王外相は30日、ドイツのシュタインマイヤー外相、ベトナムのファム・ビン・ミン外相とも電話会談し、「日本問題」(外務省発表)について意見交換した.
米、靖国参拝に改めて「失望」 日米関係は変化なし
日本経済新聞2013/12/31 18:40 (2014/1/1 2:00更新)
【ワシントン=吉野直也】米国務省のハーフ副報道官は30日の記者会見で、安倍晋三首相の靖国神社参拝について「近隣諸国と緊張を高めるような行動を取ったことに失望した」と述べ、改めて批判した。同時に「日本は同盟国であり、緊密な連携相手だ。それは変わらないだろう」と語り、日米関係には変化はないとの考えを示した。
首相参拝後に米政府高官が記者会見で言及するのは初めて。
在日米大使館や国務省が声明で首相の参拝に関して「disappointed」という表現を使ったことには「選んだ言葉から米国のメッセージは明白だ。担当者はホワイトハウスとも調整している」と指摘。米国が「失望」したのは具体的にどの部分かについては「日本の指導者が近隣諸国との緊張を高めるような行動を取った点だ」と強調した。
ハーフ氏は過去に小泉純一郎元首相らが靖国参拝をした際に米国が声明などで批判しなかったことには「状況が違う。地域の緊張を増大させる特定の時期の行動に意見を述べている」と説明した。今後の日米関係に関しては「日米関係の強さの証しは、意見が違う問題で必要があるときに率直に話し合えることだ。(靖国問題については)話し合いを続ける」と表明した。
首相参拝に反発した中韓両国とは「地域の平和と安定という共通の目標を達成するための協力を進めることを希望する」と述べた。
米「失望の意味は明確」 靖国参拝、重ねて批判
東京新聞2014年1月1日 朝刊
【ワシントン=竹内洋一】米国務省のハーフ副報道官は30日の記者会見で、安倍晋三首相の靖国神社参拝に米政府が「失望」を表明したことについて「われわれが選んだ言葉から(日本への)メッセージは非常に明確だ」と述べ、首相の参拝に反対する姿勢を重ねて表明した。
ハーフ氏は首相の靖国参拝を「近隣諸国との緊張を悪化させるような行動だ」とあらためて批判。その上で「日米関係の強さの証しは、意見の違いがある時に率直に話し合えることだ」と述べ、この問題に関して意見交換を続ける考えを強調した。
米政府が過去に小泉純一郎元首相の靖国参拝にはコメントを控えてきた経緯に関しては「状況は常に異なる」と指摘。今回は「地域の緊張を増大させる特定の時期の行動に意見を述べている」と説明した。
「失望している」は緊密な関係の証し…米国務省
(2014年1月1日00時02分 読売新聞)
【ワシントン=山口香子】米国務省のハーフ副報道官は12月30日の記者会見で、米政府が安倍首相の靖国神社参拝に「失望している」との声明を出したことに関連し、「(意見の)相違がある時に互いに正直に発言できるのは、緊密な関係の証しでもある」と述べた。
また、「我々は、今後の(日本との)関係や、日本と地域の他の国がどう建設的に協力していけるかを注視している」と語り、引き続き、日中韓などに関係改善を促す考えを示した。
靖国参拝糾弾決議を採択
韓国国会「外交的挑発を強力に糾弾する」
MSN産経ニュース2014.1.1 00:35
韓国国会は31日の本会議で、安倍晋三首相の靖国神社参拝は未来志向の日韓関係構築や北東アジアの平和と安定に「深刻な悪影響を及ぼす外交的な挑発行為だ」として「強力に糾弾する」との決議を全会一致で採択した。
決議は参拝について、集団的自衛権行使容認に向けた動きと合わせ「侵略戦争を美化し軍国主義を復活させるたくらみだ」と主張。日本政府に「人類の普遍的価値を否定する時代錯誤的な行為」の即時中止を求め、歴史に対する「誠実な反省と責任ある姿勢」を要請した。韓国政府に対しても、首相の参拝に厳重に対処するよう促し、日本が再び侵略の歴史を否定することがないよう外交努力を尽くすよう求めた。
一方、聯合ニュースによると、韓国外務省は31日、定例の日韓領事局長会議を1月10日に南部・釜山で開催すると明らかにした。同外務省関係者は「靖国参拝で韓日関係は最悪だが、一般的な協力事項は予定通り進める」と話した。(共同)
中国外相、米韓外相と電話協議 靖国参拝で意見交換
朝日新聞デジタル 2014年1月1日12時57分
【北京=倉重奈苗】中国の王毅(ワンイー)外相は12月31日夜、韓国の尹炳世(ユンビョンセ)外相、米国のケリー国務長官と相次いで電話協議した。中国外務省によると、尹外相との協議で、両氏は安倍晋三首相の靖国神社参拝について反対する立場を改めて確認。王外相は「我々の反応は正義、正当で、国際公理と侵略された国の人々の尊厳を守るものだ」と指摘したという。
また、同省は、ケリー国務長官との協議でも「日本問題」について意見を交わしたと発表した。安倍首相の靖国参拝に強硬に反対する中国側の立場に、米側も同調するよう求めたとみられる。
中国は安倍首相の靖国参拝後、ロシア、ドイツ、ベトナムの外相とも電話で協議しており、国際社会での安倍首相の参拝に反対するための「包囲網づくり」を強めている。
靖国参拝めぐり協議か 米中外相が電話会談
日本経済新聞2014/1/1 8:43 記事保存
【ワシントン=共同】米国務省によると、ケリー国務長官は12月31日、中国の王毅外相と電話で会談し、「日中関係」などをめぐり協議した。中国外務省は「日本の問題」について意見交換したとしており、安倍晋三首相の靖国神社参拝も議題となったとみられる。
中国外務省によると、王氏は今年が米中両国の国交樹立35周年に当たることを踏まえ、米国と「新たな形の大国関係」を構築していく意向を表明。ケリー氏も同様の考えを示した上で、米中の協力分野を拡大していきたいと応じたという。
両氏は、朝鮮半島情勢や中東和平交渉についても意見交換した。
中国外相、米韓外相と電話協議 靖国参拝で意見交換
朝日新聞デジタル 2014年1月1日12時57分
【北京=倉重奈苗】中国の王毅(ワンイー)外相は12月31日夜、韓国の尹炳世(ユンビョンセ)外相、米国のケリー国務長官と相次いで電話協議した。中国外務省によると、尹外相との協議で、両氏は安倍晋三首相の靖国神社参拝について反対する立場を改めて確認。王外相は「我々の反応は正義、正当で、国際公理と侵略された国の人々の尊厳を守るものだ」と指摘したという。
また、同省は、ケリー国務長官との協議でも「日本問題」について意見を交わしたと発表した。安倍首相の靖国参拝に強硬に反対する中国側の立場に、米側も同調するよう求めたとみられる。
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読売新聞は我田引水てきな表現をしているが、中国の外相が米露韓など各国に精力的に働きかけている。機を見るに敏な中国ならではの動きである。これは、対日外交に関する明確な戦略があり、上下一になって外交を展開しているからできることである。中国共産党にとっては、抗日戦は今も続いている。一過性の“祭り騒ぎ”で満足し有頂天になっている安倍首相と大違いである。
靖国参拝後の安倍首相の動き
東京新聞の【首相の一日】から12月28日以降の首相の動静を見てみる。
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●12月28日(土) 2013年12月29日 紙面から
【午前】10時20分、公邸から東京・渋谷の美容室「HAIR GUEST」。散髪。11時59分、公邸。
【午後】来客なく、公邸で過ごす。宿泊。
●12月29日(日) 2013年12月30日 紙面から
【午前】7時43分、公邸から神奈川県茅ケ崎市のゴルフ場「湘南カントリークラブ」。岸信夫外務副大臣ら親族、友人、秘書官とゴルフ。
【午後】4時39分、東京・富ケ谷の私邸。5時22分、東京・銀座の西洋料理店「玉木」。岸外務副大臣ら親族、友人、秘書官と食事。7時51分、私邸。
●12月30日(月) 2013年12月31日 紙面から
【午前】来客なく、東京・富ケ谷の私邸で過ごす。
【午後】1時22分、東京・永田町のザ・キャピトルホテル東急。レストラン「ORIGAMI」で太田昭宏国土交通相と会食。2時47分、東京・日本橋兜町の東京証券取引所。大納会式典に出席し、あいさつ。
3時35分、私邸。4時23分、東京・六本木のホテル「グランドハイアット東京」。昭恵夫人同行。50分、東京・西麻布の劇場「EX THEATER ROPPONGI」。南こうせつ、伊勢正三両氏のコンサート鑑賞。8時10分、同コンサートの打ち上げパーティーに参加。39分、グランドハイアット東京。42分、同ホテル内のすし店「六緑」で昭恵夫人、母親の洋子さんと食事。同ホテルに宿泊。
●12月31日(火)2014年1月1日 紙面から
【午前】10時45分、静養先の東京・六本木のホテル「グランドハイアット東京」内の「NAGOMIスパアンドフィットネス」で運動。
【午後】1時15分、同所で運動。2時51分、東京・六本木の映画館「TOHOシネマズ 六本木ヒルズ」。母親の洋子さんや昭恵夫人らと映画「永遠の0」を観賞。5時46分、グランドハイアット東京。6時32分、ステーキハウス「オークドア」で母親の洋子さんや昭恵夫人らと食事。同ホテルに宿泊。
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靖国神社参拝を巡り米国務省が在日米大使館と同様に「失望」を表明したことに「戦場で散っていった方々のためにご冥福を祈り、手を合わすのは世界共通のリーダーの姿勢だろう。そのことを誠実にこれからも理解してもらうように努力していきたい」と述べた。
首相は理解してもらうと言っただけで、そのための手を打たず、年捺年始の長い休に入った。散髪、ゴルフ、コンサート鑑賞、フィットネスに映画鑑賞などなど、念願の靖国神社参拝を果たし久しぶりに爽快な気分で年末年始の長い休暇をとっている。
岸田外相も上に倣ってノンビリ休暇気分で“結構”なことだ。めでたしめでたしか。
これに対し中国の王外相は立て続けにロシア、ベトナム、米国などと「日本問題」に関して電話会談を実施している。毛沢東は「政治は武器を使わない戦争、戦争は武器を使う政治」といった。「外交は謀略である」という言葉もある。中国の勢力名外交攻勢で勝敗は明らかである。
安倍首相は、米中露などを向うに回し“主役”を演ずるため今は英気を養っていると言いたいのだろうか。NSAメンバーの政治家、補佐官や岸田外相ら外務省の官僚も休暇中か? 安倍首相に睨まれると怖いから言うべきことを言わぬ佞臣、漢奸しかいないのか。
外国が安倍首相の考えを「理解」しても、首相を支持するとは限らない。「首相の一日」を見れば、首相の本気度が伝わってこない。北朝鮮は崩壊直前の状況にあるとの認識に立って米中露韓などは動いている。首相や関係閣僚及び官僚などが周辺国の動きに超然としていられるのは、島国根性から抜け出せないためである。上も下もそろって、嗚呼―呑気だね、呑気だね。一国のリーダーとしては、なんとも間抜けなことか。