米国はウクライナの極右勢力と繋がっている
米、露へ追加制裁…17企業の資産新たに凍結
読売新聞 2014年04月29日 01時27分
【ワシントン=白川義和、モスクワ=緒方賢一】米ホワイトハウスは28日、ロシアがウクライナでの緊張緩和に関する合意を履行せず、状況を悪化させているとして、ロシア高官や企業に対する資産凍結や渡航禁止を拡大する追加制裁を発表した。
欧州連合(EU)も、新たに15人を資産凍結などの対象者に加えた。日本政府は28日、追加制裁の検討に入り、欧米並みの制裁案が浮上している。これに対し、ロシア政府高官は「報復する」と述べ、対抗措置を予告した。
米国の制裁対象には、プーチン大統領の側近で、露石油最大手ロスネフチのイーゴリ・セチン社長ら7人が含まれた。また、ロシアの17企業が新たに資産凍結の対象となり、うち13企業に対しては、米国産品の輸出が規制される。
さらに、ロシアの軍事能力を高める最先端技術について、ロシアへの輸出規制を強化した。
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米国と歩調を合わせ対露制裁をおこなえば、ロシアの報復を招く。
北方領土の返還は無くなり、ロシアが中国と連携を強めれば尖閣諸島防衛も困難になる。
ウクラナ暫定政権の体質、ネオナチとユダヤ人
ヤヌコビッチ前政権の打倒に貢献した極右組織「右派セクター」
〔ウクライナの民族主義者〕
ウクライナ「暫定政権」は極右政権で、構成メンバーはネオナチとユダヤ人である。ウクライナのクーデターに資金を出したのは米国であり、米欧はネオナチ勢力を使ってヤヌコビッチ政権を打倒したのである。
「暫定政権」のヤツェニュク首相は、超国粋主義的政党との繋がりを指摘されているユダヤ人である。ユダヤ人が敵であるネオナチと手を組んで政権を転覆したのは、「敵を使って敵を倒す」という分割統治策を実施したのであって、二股膏薬、どちらが転んでも自らは生き延びられるよう“保険”をかけたのである。
米国上院のJohn McCain(アリゾナ州選出)は、ウクライナの極右勢力と繋がりがあり、「暫定政権」を後押ししている。
U.S. Senator John McCain, center, speaks as Democratic senator from the state of Connecticut, Chris Murphy, second left, and Opposition leader Oleh Tyahnybok, right, stand around him during a Pro-European Union rally in Independence Square in Kiev, Ukraine, Sunday, Dec. 15, 2013.
(注)John McCain Went To Ukraine And Stood On Stage With A Man Accused Of Being An Anti-Semitic Neo-Nazi
Read more: http://www.businessinsider.com/john-mccain-meets-oleh-tyahnybok-in-ukraine-2013-12#ixzz30RJYF6t7
また米国務省のヌーランド次官補も極右勢力と接触している。
彼女の父方の祖父はロシアから移民したユダヤ人である。
US Assistant Secretary of State Victoria Nuland together with Neo Nazi Svoboda leader Oleh Tyahnybok, left
(注)Ukraine and the “Politics of Anti-Semitism”: The West Upholds Neo-Nazi Repression of Ukraine’s Jewish Community
ウクライナの極右勢力
ユダヤ人にとって、ロシアのユダヤ系財閥を潰した民族主義者であるプーチンは敵である。
このためロシアの“死活的”存在であるウクライナを西側に引き寄せるためクーデターを画策したのである。
ウクライナの西側は旧ポーランド王国時代があり、古くからユダヤ人問題をかかえており、市民によるユダヤ人迫害やソ連政府による計画的飢饉を経験している。独ソ戦でナチスドイツが侵攻した際、ウクライナの人々は独軍を解放軍として歓迎し、約20万人がナチスドイツ軍に協力したといわれている。
ナチスドイツはウクライナ解放が目的でなく穀物と石油の獲得が目的であり、ウクライナを奴隷視したためウクライナの人々はナチスに裏切られることになったが、ナチズムに共鳴する素地がある。
東側はロシア系住民なので民族主義的な感情は西側ほど過激化しない。
ウクライナの極右民族主義集団は、人口の約8割を占めるウクライナ語を話すウクライナ人中心の国家を唱える過激主義者である。少数派のロシア系などに対して従属を迫る態度が際立っている。特に右翼活動家ドミトリー・ヤロシ(42)が率いる極右組織「右派セクター」が大きな影響力を持っている。
昨年秋に結成された、「右派セクター」は、親ロシア派のヤヌコビッチ前政権を今年2月に崩壊させたデモで中心的な役割を担った。
議会がロシア語の第2公用語としての地位を定めた法律廃止を決めたのも、前政権打倒に貢献した極右集団の意向を取り入れたものだ。
「右派セクター」は、前政権崩壊までは親欧州派と共闘したが、その後は、独自の過激路線を強めている。3月中旬、内務省が国民に発した武器明け渡しの通達を拒否した。同下旬には、メンバー1000人以上が内相の辞任を求めて議会を包囲する事件も起こした。またかれらは、ロシア軍を介入させ東部の親ロシア勢力をロシア軍の武力で抹殺、一掃すること目的に、ロシア軍を介入させるよう画策している。
これとは別に、2014年2月22日、ヤヌコーヴィチ政権が事実上崩壊し、釈放された元首相のティモシェンコは、個人的な電話会話で、東ウクライナの親ロシア派連中を是非とも核攻撃で灰にしてやりたいと言ったのを盗聴されている。この時流出した電話会話で、彼女はその会話が本物であることを認めている。刑務所に入っていたティモシェンコは、キエフ「暫定政権」に反対するロシア系住民は、暗殺部隊に“頭を強打される”べきだ、とも言っている。
4月17日、米国、ロシア、EUとキエフの暫定政権が署名したジュネーブ声明では、
① 不法な集団の武装解除
② 占拠した建物などの明け渡し
③ すべての政治勢力が参加する憲法改正
④ ウクライナの経済と財政の安定化 などが盛り込まれているが、これが守られていない。
ジュネーブ声明発表以降のウクライナをめぐる動きを見てみると、
18日 暫定政府、東部の自治権拡大やロシア語公用語化を認める憲法改正に取り組む方針を表明
20日 東部スラビャンスク付近で親ロシア派武装集団が襲撃され少なくとも3人死亡
21日 全欧安保協力機構(0SCE)特別監視団の副団長がスラビャンスクの親ロシア派代表と会談
22日
・バイデン米副大統領、トゥルチノフ大統領代行とヤツェニュク首相と会談し「強力な支持」を表明
・米国防総省、ポーランドとバルト3国に計約600人の米陸軍部隊を展開と発表
・東部スラビャンスク上空を飛行中のウクライナ軍用機が地上から銃撃される
・トゥルチノフ大統領代行、東部での「反テロ作戦」再開を命令
ジュネーブ宣言は全国の全集団の武装解除と全都市で違法占拠されている庁舎からの退去を呼びかけている。この規定はマイダン広場や他の公共空間の占拠を続けているキエフでクーデターを起こしたネオナチ国会議員らにも適用されるべきものであり、キエフの「暫定政権」は、ウクライナ東部と南部の対立勢力と全国的な対話を始める義務が課されている。
それにもかかわらず、ジュネーブ文書署名からわずか数時間の内に、キエフの「暫定政権」と、背後でそれを操っているアメリカ政府は、声明を歪曲して動きだしている。大きな誤りは、ジュネーブで、キエフの「暫定政権」に“ウクライナ統治”の権限を与えたことである。この政権は選挙で選らばれた正統な政府ではない。アメリカ政府と、ヨーロッパの同盟諸国が後ろで動き、クーデターによってつくられた政権である。この政権が持っている権限は、米国政府とEUが承認したに過ぎない。
「ジュネーヴ合意」の致命的な欠陥は、紛争当事者である東部「人民共和国」代表を無視して会議に呼ばなかったことである。米欧はウクライナ東部ロシア人の動きを支配する人物として、ロシア・プーチン大統領を名指ししつつ交渉相手にしているが、これは実情を反映していない。そのため、ウクライナ東南部の反政府活動家たちは、「ジュネーヴ合意」なるものを「一片の紙に過ぎない」と全く無視して市庁舎占拠などを続けているのだ。
「ジュネーブ合意」を履行して、占拠・武装解除を求められたドネツク「人民共和国」評議会は4月18日、その受諾を拒否すると共に、キエフの「暫定政権」大統領及び首相の辞職と、その関係者の議会建物からの退去を要求する決議を行った。これで,政権側との「対決」姿勢は鮮明となった。
キエフの「暫定政権」のトゥルチノフ大統領代行は、4月22日、東部における政府関連庁舎を占拠する親ロシア派武装集団を強制排除する「反テロ作戦」再開を表明し、排除作戦を開始、東部都市における抗議行動参加者達に対し一方的武装解除を要求した。
しかも、キエフの「暫定政権」の自称外務大臣アンドレイ・デシツィヤは、もしドニェツク、ハリコフとスラビャンスクの抗議行動参加者達が即座に武装解除し、庁舎を明け渡さないならば、ウクライナの国家安全保障部隊を動員し、“対テロ”取り締まりを再開すると、述べている。
キエフの「暫定政権」によるジュネーブ合意の一方的な解釈、適用は、米国政府の全面的な支持を受けたものである。米国政府は、ロシア政府が、親ロシア派抗議行動参加者の武装解除を促進することを期待しており、もしそうしなければロシア経済に対し、更なる経済制裁を強化するとオバマ大統領は述べた。また、米国政府は“非致死性”兵器を、キエフの「暫定政権」に供給するつもりだとも述べている。
こうしてキエフで起きた暴力的、かつ違法な権力を掌握した「暫定政権」は、選挙で選ばれた大統領ヴィクトル・ヤヌコーヴィチ・・・・・・退陣後、不正蓄財が暴かれたが、他の政治家もヤヌコーヴィチ同様腐敗している。
例えば、クーデター後、刑務所から出てきたティモシェンコ元大統領は、残酷な監獄生活のおかげで起きた麻痺のため車椅子に乗っていると訴えていたが、彼女の7年の刑は、国営ガス供給に関わる何百万ドルもの莫大な賄賂について告訴され、有罪が認められた結果であった・・・・・と、
その政権を退陣させただけでなく、ウクライナ憲法の破棄、ロシア系住民に対する集団暴力行為の威嚇、更には、IMF借款や、NATO、EUと米国との連合に関し、恰も正当な主権国家として判断することを容認されているのである。
米欧及び日本は「IMFによる支援」を行うが、これはウクライナの財政を破たんさせて、IMFの管理下に置くということである。その場合、ウクライナ国民はギリシャの場合と同様、緊縮財政に晒されることになる。ウクライナの借金は、ほとんどロシアに対するものなので、欧米はウクライナが破たんしてもさほど痛くない。
ウクライナをNATOに取り込むと共に、ロシアへの借金を踏み倒させ、市場を欧州に組み込みつつ、ウクライナ国民に緊縮財政をしくというのが、米国の本音なのであろう。
選挙で選ばれてもいないこの「暫定政権」は、米欧によって、武装すること、反動的な政治目的のためウクライナ軍を動員する権限を手にすることを認められているが、米欧系の通信社は、自国に都合の良い情報しか流していない。
米欧に後押しされた暫定政権の構成メンバーがネオナチとユダヤ人であることが明るみに出るとロシア封じ込めが破綻するので、「暫定政権」が恰も正当政権であるかのような情報を流している。日本のマスコミは、それをただ流すだけである。
この結果、他の全反対派は、クーデターによる政権の簒奪を目の前にしながら抗議行動を控えることを強いられ、キエフのぺてん師連中・暫定政権の動きを黙って受け入れるか、さもなければ暴力的報復を受ける事態になっている。ロシアが米欧の動きを座視しないのはこのような背景があるからである。
ロシアはクリミアを併合したが、「力で現状を変更」させた元凶は米欧、なかんずく米国であり、実態は米CIAとロシア諜報機関の対立といってもいい。
このため日本は米露双方から距離を置き、米国に加担するだけでなく日本独自の主張をすべきである。
ロシアの中国やイランへの接近
オバマ大統領は当初、中国の海洋進出に関心を払わなかった。その後、国務省が「中国の進出を放置しておけば、同盟国の信頼を失ってしまうとの説得に応じ「アジア太平洋重視」路線を打ち出した。今年1月の一般教書演説で「米国は引き続き、アジア太平洋を重視し、同盟国を支え、より安全で繁栄した未来を形作っていく」と述べたが、米国は財政破綻寸前で軍事予算も削減せざるを得ない。アジア重視といっても地中海にある海軍力を削減して太平洋に回すなど、他の地域で削減し捻出した必要最小限の資源を再配分しているに過ぎない。
米国は、EU加盟国や日本にウクライナ問題でロシア制裁に加わるよう働きかけている。ロシアは米欧の動きに対抗するため中国やイランに接近しつつある。オバマ政権は中露の接近を許し、この2大核保有国を敵にする愚を犯した。
ロシアのプーチン大統領はシリアの化学兵器問題解決では、無能なオバマに変わって中心的役割を果したが、米欧がロシア制裁を強化すれば米国と対立しているイランへの接近を加速させるであろう。中東情勢が逼迫すれば、米国の「アジア回帰」は空念仏と化し、米国が尖閣諸島防衛へ関与する余裕はなくなる。日米安保は機能不全に陥る。
対露制裁に加担すれば “日露接近” の機運は霧散
中国の尖閣侵攻を誘う
〔日露関係〕
2013年11月2日、首相公邸で日露の初の外務・防衛閣僚協議(2プラス2)が行われた。
協議は名指しは避けたが、「日露の共通の脅威である中国をにらみ、連携をアピールする狙いがあったとされているが、米国の対露制裁の動きを考慮し岸田外務大臣は訪露を取りやめた。
米露の対立が激しくなれば、今年秋にプーチン大統領の訪日も取りやめとなり、北方領土交渉の機運は霧散する。ロシアは、早速、そのサインを送ってきた。
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ロシア機「異常な飛行」 7日連続飛行で防衛相
MSN産経ニュース2014.4.20 13:00
小野寺五典防衛相は20日、ロシア軍機が7日連続で日本列島周辺を飛行していることについて「冷戦期にもないような異常な飛行が続いている。今後も注視しながら監視を行っていく」と述べ、警戒を続ける方針を強調した。沖縄県の航空自衛隊那覇基地で記者団の質問に答えた。
ロシア側の狙いについては「ロシアに駐在する自衛官から意図を確認しているが、報告はない」と述べるにとどめた。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
中露、尖閣周辺で演習か 今月下旬から海軍、日米牽制
産経新聞 5月1日(木)7時55分配信
【北京=矢板明夫】中国とロシアの海軍による合同軍事演習「海上協力-2014」が、5月下旬から6月初めまで東シナ海で行われる。ミサイル巡洋艦、ミサイル駆逐艦、通常動力型潜水艦など20隻を上回る艦船が参加する予定。中国メディアなどが伝えた。アジア太平洋地域での中露の軍事連携強化をアピールすることで、日米同盟を牽制する狙いがあるとみられる。
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〔日米関係〕
昨年12月、安倍首相は靖国神社を個人的に参拝し、これに中国と韓国が反発した。また、安倍政権になってNHKの経営委員の入れ替えを行った。オバマ来日直前の4月21日、安倍首相は靖国神社真榊を奉納した。22日には新藤義孝総務相、147名の国会議員が靖国神社を参拝した。安倍政権のこれら一連の動きに対して中韓だけでなく米国も不信感を持っているとみられる。
米国国務省は、昨年12月の安倍首相の靖国神社参拝に対し“失望”を表明した。オバマ政権が、北東アジアにおける米国の2つの同盟国、日本と韓国の関係が、事実上壊れてしまうことを懸念したためであろう。
一方、昨年2月、政権の座にについたパククネ大統領は、“慰安婦”と称する女性に対する謝罪を日本が見直すことを示唆していることを理由に安倍首相との会談を拒否した。オバマ大統領は仲裁人役を務めることを余儀なくされ、先月、ハーグ核セキュリティ・サミットの際、安倍首相とパククネ大統領を引き合わせた。
オバマは来日したが実務的な対応に終始た。尖閣防衛に言及したが平和的解決を求め中国に対する配慮も示した。パククネと会談では慰安婦問題で韓国に擦り寄る発言をした。
安倍首相は、“戦後レジームからの脱却”が自分の目標であると考えている。アメリカ軍に頼り、常に忠実な部下の役割を演じるという戦後の体制からの脱却である。“戦後レジーム”は、米国が日本との間で、日露戦争以後、アジア、特に中国を日米のどちらが支配するかを巡り対立し、最終的には太平洋戦争で日本を敗北に追い込んだ後、成立したものだ。
オバマの一連の発言は、安倍首相の掲げる “戦後レジーム” 脱却に否定的であることを示唆したものと観察される。オバマは日中の対立に巻き込まれたくないから「現状のまま」でいて欲しいという程度のことで、安保適用云々も 特段、代わり映えはしない。
日本と米中韓との緊張は、日米両国間に存在する国家権益の溝を反映している。摩擦の根底にあるのは、太平洋戦争後、アメリカが揺るぎない大国であった時代に作りあげられた日米安保同盟に対し、両国がどれだけ本気で取り組もうとしているのかという問題である。
オバマ来日の目的は、経済面ではTPPの妥結を狙い、安保面では軍備、法制の見直しを迫ることまで、あらゆる領域において米国の覇権の永続を確保することである。米国は安倍政権を “利用” することはあっても、安倍政権のすべてを容認するものではない。安倍首相とそりが合わないように感じられたのはこのためだろうか。
ウクライナを巡って米欧とロシアの対立が激化しウクライナで武力紛争が勃発すれば米国の関心はウクラナに向けられる。米国はアジア正面に新たに投入する戦力はないのでオバマが日米安保で尖閣を守ると言っても単なるリップサービスに終わる。
肝心のオバマはレームダックと化しつつある。米国の産軍複合体にとってオバマはアフガニスタンから米軍を撤退させれば御用済みであり、兵器や天然ガスなどの新たな売り込み咲きが欲しいとのであろう。そこで浮上してきたのがウクライナの問題である。
米国側は、無人の“岩礁”程度にしか見ていない尖閣諸島の防衛のため、核・ミサイル大国の中国を相手に武力介入してまで日本と心中する気は毛頭ない。今やウクライナは米国の“餌食”になりつつある。このような米国の手口で、日本は米国との戦争に引きずりこまれたのであろう。
〔中国の武力侵攻〕
中国の武力侵攻の事例を見ると、朝鮮戦争では、米英などが朝鮮半島の戦争で手一杯の状況を見るやチベット侵攻を開始した。後の中越戦争では中越国境でベトナムと戦っている間に、ベトナム海軍に島嶼防衛の力がないとみるや南沙諸島を奪取した。
中国に防衛の空白をみせれば、中国はそこを突いている。習近平にとって国内の矛盾から眼を逸らすためには、尖閣諸島へ侵攻・奪取が求心力維持のため有効なカードとなる。
ウクライナや朝鮮半島で武力衝突が生起し、米国が東シナ海や南シナ海に振り向ける戦力もなく、手を打つ手がなくなるならば、中国は “核心的利益”防衛のためと称して武力行使に打って出る可能性を排除すべきではない。