アメリカのイライラと野党的体質の鳩山政権
アメリカのゲーツ国防長官がらいにちした。首相、外相、防衛相との一連の会談で日米のすれ違いが目立った。何のために太平洋を越えてきたのか。ゲーツ米国防長官は、そんな思いではないか。会談した鳩山由紀夫首相、岡田克也外相、北沢俊美防衛相のだれも、聞きたい話をしてくれなかった。インド洋の給油中止の見返りとなる支援の具体策であり、沖縄・普天間基地の移設をめぐる日米合意の確認である。立場を入れ替えて考えれば、わかりやすい。米側で政権交代があり、日本の防衛相が訪米したとする。米前政権との合意を再確認したいと考える防衛相に対し、米側は具体的言質を与えない。何のための訪米だったかと彼は首をかしげるだろう。
発足から一カ月を経た鳩山政権は、世論調査で高い支持率を維持している。米国のオバマ政権も敬意と寛容をもって支持する姿勢を示し、あからさまな衝突は避けるよう努めつつ、日本の民主党政権がより現実的な方向へと着実に舵を切っていくことを期待してきた。そのアメリカは、ブッシュ政権がオバマ政権に交代しても安全保障の継続性を維持するため国防長官は留任した。海上自衛隊のインド洋への派遣や沖縄の米軍基地移転といった問題では、オバマ政権はブッシュ時代とほとんど変わっていない。
それとは対照的なのが鳩山連立政権だ。もともと外交・安保についての戦略がなく大衆迎合、票集めに都合のよいことばかり唱えてきた“評論家”の体質が、政権を取ったにもかかわらず具体策を見出すことができず問題を先送りに終始せざるを得なくしている。鳩山政権の閣僚たちが各個バラバラに発するさまざま発言は、連立与党は野党からの脱皮が思うように進んでいないように映る。中国・北朝鮮の脅威を考えれば民意を見て普天間の移設を決めるなどと悠長なことを言っている暇はない。9月2日のブログで「民主党政権にアメリカ懸念、木枯らしが吹く頃には(日米同盟は)“別居”か“家庭内離婚”か」と書いたが、その懸念が当りそうな気配になってきた。
閣僚のかってばらばらな発言と
安全保障政策は民意を見て決める無責任さ
独自の見解をマスメディアに自由に開陳していい立場から、自身の発言が海外から日本政府の政策と直結して受け取られる立場へ。その変化に新内閣はうまく適応できていない。鳩山首相は「日本はアメリカに過度に依存してきた」と思っていても、口にする必要はない。黙って実行すればいいだけだ。また各閣僚に”発言統制”が必要なのは珍しいことではないが、オバマ政権や韓国の李明博政権、オーストラリアのラッド政権などの立ち上がりの時期と比較すると、日本の連立政権から飛び出す発言の各個バラバラさは抜きん出ている。
たとえば、沖縄問題では北澤防衛相が政策の連続性を強調する一方で、長島昭久同省政務官や岡田外相、前原国土交通相は普天間の海兵隊基地の沖縄県外への移転を主張し続けている。
だが、現実を見れば、沖縄県内に普天間基地の代替施設ができなければ、米国防総省が海兵隊のグアム移転に同意する可能性は低い。沖縄では来年、参議院選挙とともに県知事選、名護・沖縄市長選が行なわれ、米軍基地反対派が勢力を強めると見られている。親中・新朝鮮や革新勢力は反対派を後押しするだろう。そうなる前に決断を下さないかぎり、鳩山由紀夫首相は普天間問題での掌握力を失い、これまでの合意が無に帰す恐れもある。
そして、13年前に米日が普天間基地の閉鎖と沖縄の基地再編で合意して以来続いてきた出口のない状況がさらに続くことになる。 国の外交・安保は国の責任のはずである。尖閣諸島・ガス田の実態、中国や北朝鮮の軍備増強を考えれば民意を見てからと悠長な事を言っている暇はない。国の安全保障上重要なことは国民を説得するくらいの気概が欲しい。
最も安全な給油活動もせず
「自衛隊の活用」ができるか!
大臣就任時の会見で「給油活動の評価は低い」と言ったと思いきや「自衛隊活用を検討」とは、お粗末だ。この人物には具体策は提示できないだろう。
中国に“漁夫の利”を与ないか、
インド洋の給油活動からの撤収
インド洋への海自派遣継続問題についても、日本の態度は混迷を極め、混沌としている。北澤防衛相は給油任務の延長はないと言うが、他の閣僚は新規派遣の可能性を唱えている。海自が海上給油から引き揚げた場合、燃料の70%以上を海自に依存しているパキスタン海軍のテロ阻止能力は大幅に落ちる。・・・・隣国インドのムンバイでは昨年、海上ルートで侵入したテロリストによる破壊活動が実際に起きた・・・・。
鳩山連立政権が対テロ戦争から撤退するということになれば、日本の信頼性は低下する。インド洋における給油活動に替わる意味のある支援策があるのだろうか。 日本がインド洋における給油から撤収し無策に終始しているのを横目に、中国がパキスタン海軍に給油支援をしないとも限らない。中国とパキスタンはインドに対抗するため密接な関係にある。給油量の多寡にかかわらず、中国がパキスタン海軍に給油支援を行うような事態になれば、単に日本の威信の低下にとどまらずシーレーン防衛、日米安保体制やアジア全体の安全保障環境に根本的な変化をもたらす。外洋進出を進めている中国にその口実を提供するだけでなく、政治的・軍事的な面で大きな“漁夫の利”を与えることになる。
上海協力機構の首相級会合
中国はアフガニスタン支援に意欲的
中国とパキスタンの結びつきも強い!
また、岡田外相がこだわっている「核の密約」を暴けば核の抑止力、日米安保体制の信頼性の低下につながり、ここでも漁夫の利を得るのは中国である。何よりも懸念されることは、アメリカの日本からの離脱、早晩やってくる中国による尖閣諸島の実効支配に対してアメリカの支援は得られないこと、熟して落ちてくる柿を手にするのは矢張り中国である。
鳩山連立政権に外交・安全保障に関する戦略がないことが各閣僚の無統制な発言となり、対米関係がギクシャクする一因となっている。
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