産経ニュース 2015.2.20 12:33
豪次期潜水艦、日独仏を発注先候補に指名 日本には絞られず
【シンガポール=吉村英輝】オーストラリアのアンドリュース国防相は20日、次期潜水艦の発注先について、日本、ドイツ、フランスの3カ国に絞り込んだことを明らかにした。性能や費用、地元企業の参画などについて3カ国を比較する「競争評価」方式で選定する。総発注額500億豪ドル(約4兆6千億円)と、同国では過去最大規模の国防プロジェクトで、最大12隻を調達する。
現地での造船事業経験などがあるスウェーデンも意欲を示していたが、アボット首相は同日、「スウェーデンで潜水艦が最後に作られてから約20年がたつ」として、候補から除外した。
豪政府は、同じく米国の同盟国である日本が製造し、原子力以外の通常型では世界最高レベルとされる「そうりゅう型」の導入に意欲を示してきた。
だが、「中国を刺激する」との一部世論や、国内産業の保護を求める豪防衛企業が、日本からの潜水艦導入に反発。一方、日本同様に受注獲得を目指す独仏は、豪州内での建造計画を示し攻勢を強めていた。
アンドリュー氏は、3カ国いずれに発注しても「国内に500人の新規雇用を生み出す」と理解を求めた。
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豪ダーウィン空襲で式典 4千人出席、総領事が献花
(長崎新聞 2015/02/19 17:02)
オーストラリア北部ダーウィンで、慰霊式典に参加した退役軍人ら=19日(共同)
【ダーウィン共同】オーストラリア北部ダーウィンで19日、旧日本軍による1942年2月からの空襲開始日に合わせた慰霊式典が開かれた。
式典は戦争記念碑周辺などで行われ、約4千人が出席して黙とう。空襲開始の午前9時58分にサイレンを鳴らした。高岡正人駐シドニー総領事が献花した。
ダーウィンは第2次大戦時、連合国軍側の拠点だった。42年2月19日の空襲が最大規模とされ、少なくとも243人が死亡。ダーウィン市によると、同市への空襲は43年までに60回以上を数えた。
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中国の影響が強まる豪州への潜水艦技術の提供は禁物
アンドリュース国防相は2月20日、次期潜水艦の発注先について、日本、ドイツ、フランスの3カ国に絞り込んだことを明らかにした。アボット首相は日本の潜水艦を導入しようとしたが、自らの失政で辞任を迫られる事態となったが、かろうじて免れた。指導力の低下とともに親中勢力、造船業界、労働組合などの巻き返し前に上記3カ国の、「競争評価」方式に変更を迫られた。
豪州には19世紀の開拓時代から中国人労働者が入植しているが、改革開放に伴い中国が最大の貿易相手国に浮上、中国人の移民が激増や富裕層の不動産投資などで豪州は中国の影響力が年々強まっている。
親日のアボット首相個人と安倍首相の絆は良いように見受けられるが、保守系、左派系の政党が交互に政権を担う豪州という国は、必ずしも親日とは言えない。
大東亜戦争では日本軍機が北部のポートダ-ウインを、特殊潜航艇がシドニー湾を攻撃したが、豪州を攻撃した国は日本以外にない。東京裁判では日本に最も厳しい態度をとった国である。
遠くない将来、中国系の人物が首相や国防相になってもおかしくない国であるので、潜水艦技術が中国に流出することは必至と見ておかねばならない。「中国を刺激する」との一部世論が意味するところは大きい。
現在の政権は親日的であるが、労働党など野党が政権に就けば中国に靡く二股外交の国である。日中どちらに転ぶか分からない豪州に潜水艦技術を提供することは、やめたほうがいい。
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