私はそれまでずっと、頭ごなしに息子の主張を否定してきました。
常識的に考えて自分にとって最適な仕事などそう簡単に見つかるはずはない、だからこそ誰もが折り合いを付けながら就職し、食べていくために毎日どんなに辛くても仕事に行くのではないかと。
常識的に考えて自分にとって最適な仕事などそう簡単に見つかるはずはない、だからこそ誰もが折り合いを付けながら就職し、食べていくために毎日どんなに辛くても仕事に行くのではないかと。
彼の主張は、現実逃避の青い鳥症候群そのものだと心の中で一蹴していたのです。
しかし、よくよく考えてみると、いつも彼の主張はブレることなく一貫していました。
自分を最大限活かすことのできる仕事に楽しみを見い出したい、そのような確固たる熱い思いが彼の心の中に根付いているのではないか、私はそのように感じて次第に考えを改めるようになりました。
仕事という現実から逃げるために息子自ら頭で捻り出した考えだと決めつけていた自分を反省し、それ以降彼の意見に反論することはやめました。
そして信仰も少しずつ進展し御言葉を学ぶ中で、息子の仕事の悩みと彼の行く末に関する私の不安、この両方を一挙に解決できる道があることが分かりました。
今のあなたがどんなに惨めに見えたとしても、あなたたち一人ひとりには主が用意した使命と御心がある。
この御言葉を私は一度ならず目にしていたはずなのですが、これこそが私たちの求めていた答えだと息子も私もはっきり分かった瞬間でした。
発達障害の子を持つ親の最大の悩みは「子どもの自立」です。
会社勤めを前提に考えると、仕事の進め方から人間関係に至るまで、息子が乗り越えるべき壁が無数に立ちはだかることが予想されます。
彼が円滑なコミュニケーションや臨機応変な対応など社会人として身につけるべき能力を磨くことは恐らく困難でしょう、組織の一員として働くのはほぼ不可能だと思います。
幸いなことに、パソコンやスマホの普及により現在では在宅勤務も可能となり、自営業の道も一昔前に比べてかなり敷居が低くなりました。
しかしそのような働き方は口で言うほど簡単ではありません。
よほど突出した能力がない限り寧ろ会社勤めよりも厳しいと思います。
しかし神様の世界では、その難しいこともクリアできるかもしれないという希望があります。
神様は人類一人一人に例外なく「人生の設計図」を与えてくださっています。
その設計図を神様に祈って見つけ出し、たゆまず努力して実力や能力を身に付けていくならば、必ずこの世で突出した才能を発揮できると神様は御言葉を通して私たちに教えてくださっています。
自分の個性と才能を伸ばした結果、自分の天職が見つかって幸福に生きられるようになったと息子が証できれば、この社会で不条理を感じながら生きている人々に希望を与えられるかもしれません。
神様は、信仰者が個性・才能を磨き様々な分野で神業を発揮することで、神の存在を世界中の人々に教えて上げてほしいと考えています。
それは、人類を幸福に導くためであり、最終的に天国へ招き入れたいという神様の熱い思いからです。
私と息子はまだまだ信仰の面では発展途上にすぎません。
これからもっと心を清め、御言葉を悟って、人類を救うという壮大な目標を目指して、日々自分を成長させようと藻がいているところです。
続きます。