元夫と私が彼を叱るのは勉強に関することもそうですが、私たちが一番心配したのは彼の虚言癖でした。嘘を付いたことで特に厳しく叱ったことが今まで何度かありました。
数ある嘘の中でも、その内容が大胆で警察や学校を巻き込むような嘘を付いた時には、このまま息子は罪悪感を抱くこともなく生涯嘘を付き続ける人生を送るのではないかと悩みました。
彼はADDという発達障害の診断を受けています。私は、発達障害の特性と言われている「嘘を付くこと」が常習化する前に、何とか矯正できないかと必死でした。
しかし、今になって考えてみると、彼が嘘を付く場面は限られていました。それは「怒られたくない」からなのです。
騙そうと意図して嘘を付くのではなく、怒られることを回避するために事実を隠すのです。
息子と二人暮らしを始めて丸3年以上経ちますが、嘘を付かれたという記憶はありません。
あの頃付いた大胆な嘘について彼は、他人に対してあのようなやばい嘘を付く訳がない、親が怒るからそれを避けるために付いただけだと話してくれました。
つまり、虚言癖と言えるまでの常習性は彼の中には無く、私たち夫婦が極度に心配していたことは杞憂だったのです。
発達障害の特性上、彼は常に変わった子どもという捉え方をされ、学校の先生や塾の先生から注意されることが他のお子さんよりも多かったはずです。
また、学年が進むほど友人からは変わったやつという扱いをされ、疎外感を感じることも多々あったでしょう。
そのうえ、家に帰って来ると怒られる、暴力も振るわれるではたまったものではありません。私はようやく彼の心情を理解できるようになりました。
彼の心はどんどん荒さみ、私たちへの憎しみが増すのは致し方ありませんでした。
彼は塾に通っていた中学生の頃から、父親と顔を合わせたくないがために夫が寝たのを見計らって、深夜を過ぎた遅い時間に帰って来ることが度々ありました。
彼は塾に通っていた中学生の頃から、父親と顔を合わせたくないがために夫が寝たのを見計らって、深夜を過ぎた遅い時間に帰って来ることが度々ありました。
本来くつろぐべき家という場所で、安心して過ごせない毎日を何年間も彼にさせてしまった私は毒親でした。
母親として妻として、当時夫に働きかけるなり、息子の本音を真剣に聞いてあげるなり対処方法は色々あったはずなのに。
私は無力にも、時が過ぎれば夫と息子の確執の日々もきっと正常に戻るだろうという何の根拠もない希望を持ちながら自分を慰めることに終始していたのです。
続きます。
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