大河ドラマを見ていて、最も感動したでき事があります。それがタイトルにもあるように、「歴史がつながった」という事です。私が高校の時最も得意だったのが日本史です。毎回日本史の先生から手渡されるプリントを熟読して、歴史の流れをつかもうとしました。大学受験の時、幕末の流れがわからず、参考書を片手に、明治維新までの流れを整理して、図を書き、初めてこうして明治維新がなされたのかと感動致しました。そして、大河でも同じように「歴史がつながった」のです。それを発見した時は、本当にうれしかったです。日本の歴史が映像としてビジュアルになって自分の中に現れました。では具体的に説明したいと思います。
まず、大河ドラマを時代別に整理します。今年の大河ドラマである「龍馬伝」を入れると、全部で49作品があります。その内、時代劇ではない作品3作品を除くと、46作品になります。はっきりと時代を区別できるものを見てみると、最も多い戦国時代は16作品、幕末は11作品となります。戦国時代から江戸時代に渡っている作品は、4作品。忠臣蔵を題材にしているものは、4作品。江戸時代中期は2作品あります。また、源義経等を題材にしたものが3作品となっています。それらを除くと最後に残った6作品が実に、素晴らしく歴史として続がっているのです。最も古いものが「風と雲と虹と」昭和51年(1976年)です。平将門と藤原純友の乱を描いたこの作品は、武士が政権を握る前の時代、大河としては最も古い時代を描いています。そしてその後の時代、つまり平氏全盛の時代を描いた「新・平家物語」昭和47年(1972年)に続いています。さらに、源氏の時代を描いた、「草燃える」昭和54年(1979年)へと続いていきます。貴族の時代から、武士の時代へその武士の中でも平氏から源氏へ、私は「草燃える」を見ながら源氏の直系が鎌倉を支配したのではなく、北条氏が支配していくそのすさまじさをその後に続く作品「北条時宗」平成13年(2001年)で目撃しました。あの渡辺謙さんの姿がすごかったです。子供
の頃に見ていたら、夜眠れなかったでしょう。そして平氏も源氏も本当に哀れです。平家物語のあの一節が思い浮かびます。「祇園精舎の鐘の声、所行無常の響きあり…」そして、
その北条氏も滅ぼされる時がきます。それが「太平記」平成3年(1991年)です。あのややこしい南北朝時代を見事に描いていました。ここまで見てくると、本当にみごとにつながっている事に感動致します。そして最後は戦国時代に繋がる「応仁の乱」を見事に描いた「花の乱」平成6年(1994年)があります。この時代を描いた映像というのも貴重だと思います。そして戦国時代の16作品に繋がります。放送した年もばらばらですし、特に意識しなければ、何も感じない事ですが、物事を体系的に考えてみたい私としては、大大感動です。そして、栄華盛衰というか歴史の悲哀というか、人のさがというか、空しさと同時に、人間の美しさ、醜さというものをひしひしと感じます。
私見ですが、私が子供の頃よく考えた事があります。この世の中では、戦争、犯罪など人間同士が闘い、殺し合うという事が太古の昔から今日まで絶え間なく続いてきました。
それは、どうしたら無くなるのか。どうしたら、平和な世界が訪れてくるのか、
真剣に考えた事があります。考えれば、考えるほどわからなくなります。それで、私が子供の頃に考えた結論はこうでした。
「人類が誕生した一番最初に戻ればいいのではないか。」
でも、それは、不可能な事だと思います。しかし、私はこう思います。自分の心の中から平和を出発しなければならないと。本筋から離れた話になってしまったようですが、日本の歴史、世界の歴史、いや人類の歴史をみた時にそれは「闘いの歴史」です。でも、いつ
かはその闘いを終わらせないといけないと思います。そのためにも、先人たちが生きてきた歴史を知る事は大切な事だと思います。決して教科書や本では得られない内容がこの「大河ドラマ」にはあると思います。そして、この本を読まれた方が「大河ドラマ」、日本の歴史に興味を持っていただき、平和についても考えていただけたらと思います。
ずいぶんむずかしい話になりましたが、「今宵はここまでにいたしとうございます。」