S子さんは東京の西部の私鉄沿線にお住まいです。
ご自宅から駅までは1.6キロメートル・・・歩いてもいいのですが、毎日の通勤で自転車を使っていました。
駅に向かってては軽い下りで、駅から自宅に向かっては軽い上りでした。
3段変速の自転車での毎日の通勤。駅には月極めの自転車置き場を契約して駐輪していました。
8月の初めごろです。S子さんは仕事あがりに同僚と食事に行きました。久しぶりの新宿。和食のあとにもう少し飲んでいこう居酒屋へ・・・・
食事だけと思っていたのですが、居酒屋でなんやかやと・・・・新宿駅で電車に乗ったのは23時過ぎでした。
24時前にご自宅近くの駅について自転車置き場にいきました。自分の愛車をみつけてロックを解いて、駐輪場のゲートのところまでいくと前かごになにか紙がはいっていました。
その紙には「おつかれさま。今日は遅いね」と・・・・・・S子さんはびっくり・・・これはストーカーかそれとも友人のいたずらか・・・・
とにかく自宅に向かって全速力で帰りました。
そして、翌日・・・その日は土曜日でした。買い物と食事を兼ねて友人と待ち合わせ。二日続けての新宿へ。
15時ぐらいに新宿へ着くと買い物をして食事へ。ポリネシアン料理の店で料理と軽くお酒。
そして21時前には新宿を出てご自宅近くの駅へ。そのときに昨日の紙のことを思い出しました。
駐輪場にいって最初に前かごを見たましたが、なにもはいっていない・・・ほっとして駐輪場を出てご自宅へ。
自宅へついて今日買ったものをあけているとなにかが落ちた・・・A4を1/4に折った紙・・・S子さんのお母さんがそれをみつけて、これ落ちたよと・・・
S子さんは紙を開くと・・・「今日は早いね」と・・・・・S子さんは昨日のことも母親に話ました。
警察に行ったほうがいいということで、翌日の日曜日に警察へいくことにしました。
そして、その夜寝ていると窓ガラスになにか当たる音が・・・時間は午前0時過ぎ。
S子さんのご自宅は2階建で、S子さんの部屋は二階の道路とは反対側・・・ちょっと怖かったのですが、部屋の電灯をつけて窓のところにいってカーテンをあけると・・・・・・・・・
窓にに紙が貼りついていて・・・真っ黒な手がそれをおさえていました。そしてその手をたどってみると肘から先は無い・・・
悲鳴をあげたところご両親と弟が飛んできて・・・手は霧のように消えてしまい。そこには紙だけがはりついていました。
そこには「おどかしてごめんなさい。今年はもう来れません」と・・・・4人で凍りついたようにその窓ガラスの紙を見ていると・・・溶けるように消えてしまいました。そして、リビングのテーブルに置いてあった「今日は早いね」という紙も消えていました・・・
いったい誰?
それに、来年また来るってこと?