売上代金の請求金額から「なにがしかの金額」が差し引かれて支払われる場合があります。そのような場合、差し引かれた金額の意味や内容を明確にしなければ仕訳ができません。
◆振込手数料
これが典型です。得意先が代金を銀行振込で支払う際の振込手数料をこちらで負担するという方法です。この場合に疑問に思うのは、「銀行で振込手数料を支払うのは得意先なのにどうしてこちらの負担になるのか(こちらの費用にできるのか)?」、「こちらには振込手数料を支払ったという証拠(領収書など)がない?」ということです。
しかし、「振込手数料当方負担」はごく一般的な取引ですので、請求金額と入金金額の差額が「振込手数料相当額であることが明確」と確認できれば振込手数料相当額をこちらの費用として計上することができます。仕訳は次のとおりです。
【入金時】≪借方≫預金+支払手数料(振込手数料相当額)≪貸方≫売掛金(請求金額)
◆値引き(支払保留ではない)→請求書で値引きを明確にしておく必要がある
値引きといっても様々なパターンがあると思います。ここでの値引きは、今回の請求以前の請求が何らかの理由で減額された場合です。「前回の件は今回の請求から差し引かせていただきます」というパターンです。当然、値引きした金額は請求書に明記されます。仕訳は次のとおりです。
【請求時】≪借方≫売掛金+売上値引き(前回以前の請求の値引き分)≪貸方≫売上高(今回の請求額)
勘定科目は、「売上値引き」ではなく「売上高」でもよいと思いますが、試算表(総勘定元帳)で売上値引きを把握するためには「売上値引き」がいいと思います。
◆相殺→請求書で相殺を明確にしておく必要がある
販売もあり仕入もある相手に対しては、売上代金から仕入代金を差し引いて請求することがあります。このような決済方法を相殺(そうさい)といいます。この場合の相殺金額は請求書において明記しておく必要があります。仕訳は次のとおりです。
【請求時】≪借方≫売掛金+買掛金(相殺する金額)≪貸方≫売上高
この仕訳の前提として下記の仕訳が行われている必要があります。
≪借方≫仕入高≪貸方≫買掛金
◆支払保留
請求金額そのものには合意しているけれども、請求金額のうち一定額の支払いを保留されるケースがあります。この場合には、入金があった分だけの売掛金が回収されたという仕訳をします。
【請求時】≪借方≫売掛金100≪貸方≫売上高100
【入金時】≪借方≫預金80≪貸方≫売掛金80・・・20の支払いを保留された
【次回請求時】≪借方≫売掛金150≪貸方≫売上高150・・・売上計上するのは次回請求分のみ
【入金時】≪借方≫預金170(150+20)≪貸方≫売掛金170・・・全額回収された
◆先方の間違い
得意先がうっかりして請求金額よりも少ない額を振込んでくる場合は、入金があった分だけの売掛金が回収されたという仕訳をします。
【請求時】≪借方≫売掛金109≪貸方≫売上高109
【入金時】≪借方≫預金107≪貸方≫売掛金107・・・間違って2少なく支払ってきた
【次回請求時】≪借方≫売掛金200≪貸方≫売上高200・・・売上計上するのは次回請求分のみ
【入金時】≪借方≫預金202(200+2)≪貸方≫売掛金202・・・全額回収された
◆源泉所得税(個人事業者の場合)
個人事業者で特定の職業の人は請求金額から一定額が源泉徴収されます。その場合の仕訳は次のとおりです。
【請求時】≪借方≫売掛金≪貸方≫売上高
【入金時】≪借方≫預金+事業主貸(源泉徴収された金額)≪貸方≫売掛金
「源泉徴収された金額は売上高を減額すべきでは?」と考える人もいますが、これは必要経費(収入から差し引くという性質)ではなく、申告書において最終税額から減額するものですので必要経費とはしないのです(上記の仕訳では事業主貸という資産勘定を使用して必要経費に混入しないようにしています)。
◆振込手数料
これが典型です。得意先が代金を銀行振込で支払う際の振込手数料をこちらで負担するという方法です。この場合に疑問に思うのは、「銀行で振込手数料を支払うのは得意先なのにどうしてこちらの負担になるのか(こちらの費用にできるのか)?」、「こちらには振込手数料を支払ったという証拠(領収書など)がない?」ということです。
しかし、「振込手数料当方負担」はごく一般的な取引ですので、請求金額と入金金額の差額が「振込手数料相当額であることが明確」と確認できれば振込手数料相当額をこちらの費用として計上することができます。仕訳は次のとおりです。
【入金時】≪借方≫預金+支払手数料(振込手数料相当額)≪貸方≫売掛金(請求金額)
◆値引き(支払保留ではない)→請求書で値引きを明確にしておく必要がある
値引きといっても様々なパターンがあると思います。ここでの値引きは、今回の請求以前の請求が何らかの理由で減額された場合です。「前回の件は今回の請求から差し引かせていただきます」というパターンです。当然、値引きした金額は請求書に明記されます。仕訳は次のとおりです。
【請求時】≪借方≫売掛金+売上値引き(前回以前の請求の値引き分)≪貸方≫売上高(今回の請求額)
勘定科目は、「売上値引き」ではなく「売上高」でもよいと思いますが、試算表(総勘定元帳)で売上値引きを把握するためには「売上値引き」がいいと思います。
◆相殺→請求書で相殺を明確にしておく必要がある
販売もあり仕入もある相手に対しては、売上代金から仕入代金を差し引いて請求することがあります。このような決済方法を相殺(そうさい)といいます。この場合の相殺金額は請求書において明記しておく必要があります。仕訳は次のとおりです。
【請求時】≪借方≫売掛金+買掛金(相殺する金額)≪貸方≫売上高
この仕訳の前提として下記の仕訳が行われている必要があります。
≪借方≫仕入高≪貸方≫買掛金
◆支払保留
請求金額そのものには合意しているけれども、請求金額のうち一定額の支払いを保留されるケースがあります。この場合には、入金があった分だけの売掛金が回収されたという仕訳をします。
【請求時】≪借方≫売掛金100≪貸方≫売上高100
【入金時】≪借方≫預金80≪貸方≫売掛金80・・・20の支払いを保留された
【次回請求時】≪借方≫売掛金150≪貸方≫売上高150・・・売上計上するのは次回請求分のみ
【入金時】≪借方≫預金170(150+20)≪貸方≫売掛金170・・・全額回収された
◆先方の間違い
得意先がうっかりして請求金額よりも少ない額を振込んでくる場合は、入金があった分だけの売掛金が回収されたという仕訳をします。
【請求時】≪借方≫売掛金109≪貸方≫売上高109
【入金時】≪借方≫預金107≪貸方≫売掛金107・・・間違って2少なく支払ってきた
【次回請求時】≪借方≫売掛金200≪貸方≫売上高200・・・売上計上するのは次回請求分のみ
【入金時】≪借方≫預金202(200+2)≪貸方≫売掛金202・・・全額回収された
◆源泉所得税(個人事業者の場合)
個人事業者で特定の職業の人は請求金額から一定額が源泉徴収されます。その場合の仕訳は次のとおりです。
【請求時】≪借方≫売掛金≪貸方≫売上高
【入金時】≪借方≫預金+事業主貸(源泉徴収された金額)≪貸方≫売掛金
「源泉徴収された金額は売上高を減額すべきでは?」と考える人もいますが、これは必要経費(収入から差し引くという性質)ではなく、申告書において最終税額から減額するものですので必要経費とはしないのです(上記の仕訳では事業主貸という資産勘定を使用して必要経費に混入しないようにしています)。