【実録】会計事務所(公認会計士・税理士)の経理・税金・経営相談

大阪市北区の築山公認会計士事務所(築山哲税理士事務所)です。
身近な疑問の解説と役立つ情報の提供をさせていただきます。

試算表に売上や仕入が表示されない!?(仕訳例に頼り過ぎではだめです)

2014-07-31 17:00:00 | 経理業務(帳簿の作成)
会計ソフトを独学で使っている人のデータを見せてもらうと次のようなケースが目立ちます。

■売上がゼロ

売上代金が普通預金に入金された際に次の仕訳をしているからです。

≪借方≫普通預金≪貸方≫売掛金

この仕訳の前提として、「この仕訳に先立って」次の仕訳をしておく必要があります。

≪借方≫売掛金≪貸方≫売上高

この仕訳をしないで「普通預金/売掛金」という仕訳をすると売上高は表示されません。

■仕入がゼロ

仕入代金を普通預金から支払った際に次の仕訳をしているからです。

≪借方≫買掛金≪貸方≫普通預金

この仕訳の前提として、「この仕訳に先立って」次の仕訳をしておく必要があります。

≪借方≫仕入高≪貸方≫買掛金

この仕訳をしないで「買掛金/普通預金」という仕訳をすると仕入高は表示されません。

■普通預金がない

あらゆる資金(硬貨・紙幣・銀行預金)の動きを「現金勘定」で処理しているからです。

売上代金が普通預金に入金された場合には次の仕訳をします。

≪借方≫普通預金≪貸方≫売掛金

仕入代金を普通預金から支払った場合には次の仕訳をします。

≪借方≫買掛金≪貸方≫普通預金

普通預金から引き出した(紙幣や硬貨にした)場合には次の仕訳をします。

≪借方≫現金≪貸方≫普通預金

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★試算表のどこを見るのかわかっていない
上記のような信じられない仕訳をする人の共通点は試算表で勘定科目の動きを確認していないということです。日常の仕訳入力をしたならば、その都度、試算表で各勘定科目の変動状況を確認しておかなければなりません。これを怠っていると間違いが累積してしまいます。

★「仕訳例」に頼り過ぎ
ほとんどの会計ソフトには仕訳例を表示する機能が備わっています。これに頼りすぎると的外れな仕訳を選択してしまい、結果として試算表にあるべき数字が表示されません。例えば、貸方を売上高とすべきこころを売掛金としてしまうなどです。