あれは、きっと

福岡からの帰りの飛行機でのこと。
雲が厚い中だったせいか、
飛行機が結構、揺れました。
ふっと、身体が浮くような感じで飛行機が下がると、恐怖感に絡め取られます。
椅子越しにCＡの人を見ると、
にこやかに座っているだけで、微塵も、恐怖感はおろか、動揺も見えません。
その様子は、乗客に安心感を与えます。
と、その時に、2歳ぐらいの男の子が、泣き出しました。
「怖いよ～怖いよ～」
なだめるママの声をよそに、泣き続けます。
揺れから、男の子が泣き出すまでに、タイムラグがあって、
まるで、飛行機の機内に膨らんだ乗客の恐怖心を、彼が一手に引き受けてしまったような
程なく、男の子は泣き止みましたけれど