スポーツクラブでたまに会う
かつての教え子のお母さま方
その中の一人の方が
「息子の荷物を整理していたら 出てきたんですよ」
と言って見せてくださったもの
百人一首の暗誦用の冊子
しわもなく きれいなままです
中を見ると いろいろな印がついていて
彼の苦闘がうかがえます
彼は4年生の時 百首覚えたはず
20年たって 冊子を見せてもらえるなんて
教師冥利に尽きます
嬉しい限りです
私が なぜ 百人一首を始めたかというと
学級崩壊のクラスを作ってしまったから
中学校に3年間いて 生徒指導にそれなりの自信をもって
小学校に戻ったとき
担当した学年が 5年生
1年生の時から 学年崩壊と言われ続けた学年でした
そこへ 中学校で得た生徒指導の手法を用いたのが間違いのもと
課題のある子どもに必死にかかわるあまり
ほかの子どもたちのことをほったらかしにしてしまったのです
いじめ 不登校 問題行動・・・
気が付いたときは 手の施しようがないほど
クラスが荒れていました
教師としての自信はぺしゃんこになって
3学期の学級懇談会で たくさんの親から非難され
家に帰って むーくんの前で 泣きました
その時
「教師として 何か核になるものをやったほうがいい 百人一首なんかいいと思うぞ」
とむーくんにアドバイスされました
その翌年 手探りで始めた百人一首とその暗誦
ずいぶん救われました
教師としての自信も取り戻すことが出来ました
暗誦の時期に入ると
私はトイレにも行けないほどの忙しさ(全員の暗誦を一人でチェックするので)になるのですが
それでも 続けてきてよかったなあ・・・
しみじみ思うのです