誕生月にDVDレンタルが一本無料とのことで、TSUTAYAで『さらば、わが愛 覇王別姫』という中国の映画を借り、観た。かなり印象に残った作品。
中国の激動の時代を生きた、京劇の役者の生涯が描かれている。
ここからネタバレを含みます。
主人公の蝶衣の美しいこと。
外見もひとつひとつの所作も最期までも。
しかし彼も人間である。師匠の言っていたように、穢れが無いのは観音菩薩だけであった。
彼は京劇、小樓に一途であった。芝居と現実の区別がつかなくなるほどである。
母に捨てられ、幼少期、少年期と、考えられない程の厳しい稽古を終え、役者としての人生を歩む。体罰ばかりの厳しい稽古であったが、師弟愛やよい仲間があり、稽古の思い出はずっと強く彼に残るものであった。
彼には次々と悲劇が襲いかかる。戦争や革命などといった時代の変遷と、その中での裏切り。
これ程に美しい蝶衣をどうかもう傷つけないで。蝶衣には、存分に小樓との京劇をして幸せに暮らしてほしい。と思ってしまう。もう虜である。
登場人物に、覇王を演じる小樓の妻となる、菊仙という女郎がいる。彼女は、蝶衣や小樓に対して悲運を招く。小樓は有名になってから遊んでいたようである。
私は映画を観ていて、蝶衣や小樓を唆したりする彼女に対してずっと負の感情ばかり持っていた。しかし、阿片中毒の蝶衣を介抱する場面で、彼女は人間が持つ感情を内に秘める事なくほとんど全て爆発させて曝け出していただけなのだと気付かされた。蝶衣のことでも心配なら心配するし、小樓に怒るなら怒るし。
ラストエンペラーでもそうであったが、大きな時代の変化は恐ろしい。特に文革。道のど真ん中で赤い集団にジェット式で倒されてしまう。
京劇のために何人が亡くなったのだろう。
こんな動乱あっても尚、最期に、蝶衣と小樓、ふたりで京劇ができたのは、観ている私にとって、悲劇のなかでの救いであった。
そのすぐ後は衝撃的であったが…
中国の激動の時代を生きた、京劇の役者の生涯が描かれている。
ここからネタバレを含みます。
主人公の蝶衣の美しいこと。
外見もひとつひとつの所作も最期までも。
しかし彼も人間である。師匠の言っていたように、穢れが無いのは観音菩薩だけであった。
彼は京劇、小樓に一途であった。芝居と現実の区別がつかなくなるほどである。
母に捨てられ、幼少期、少年期と、考えられない程の厳しい稽古を終え、役者としての人生を歩む。体罰ばかりの厳しい稽古であったが、師弟愛やよい仲間があり、稽古の思い出はずっと強く彼に残るものであった。
彼には次々と悲劇が襲いかかる。戦争や革命などといった時代の変遷と、その中での裏切り。
これ程に美しい蝶衣をどうかもう傷つけないで。蝶衣には、存分に小樓との京劇をして幸せに暮らしてほしい。と思ってしまう。もう虜である。
登場人物に、覇王を演じる小樓の妻となる、菊仙という女郎がいる。彼女は、蝶衣や小樓に対して悲運を招く。小樓は有名になってから遊んでいたようである。
私は映画を観ていて、蝶衣や小樓を唆したりする彼女に対してずっと負の感情ばかり持っていた。しかし、阿片中毒の蝶衣を介抱する場面で、彼女は人間が持つ感情を内に秘める事なくほとんど全て爆発させて曝け出していただけなのだと気付かされた。蝶衣のことでも心配なら心配するし、小樓に怒るなら怒るし。
ラストエンペラーでもそうであったが、大きな時代の変化は恐ろしい。特に文革。道のど真ん中で赤い集団にジェット式で倒されてしまう。
京劇のために何人が亡くなったのだろう。
こんな動乱あっても尚、最期に、蝶衣と小樓、ふたりで京劇ができたのは、観ている私にとって、悲劇のなかでの救いであった。
そのすぐ後は衝撃的であったが…