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セレクトセール2006(1歳)の結果と考察(関係者コメントなど)

2006年07月14日 | サラブレッドセール(セリ市場)情報

7月10日(月)、ノーザンホースパークにて<セレクトセール2006(1歳)>が開催された。
以下、先日お伝えした概要よりも少し詳しいデータを紹介する。

全体としては、上場頭数165頭(牡118頭、牝47頭)、売却頭数109頭(牡83頭、牝26頭)、売却率66.1%(牡70.3%、牝55.3%)、売上総額35億8,470万円(税込、牡31億2,270万円、牝4億6,200万円)だった。平均価格は3,288万7,155円(税込、牡3,762万2,891円、牝1,776万9,230円)だった。

上記から社台グループ上場馬の結果を抽出すると・・・(販売申込者で集計してます)
上場頭数74頭(牡54、牝20)、落札頭数72頭(牡54、牝18)、売却率97.3%(牡100%、牝90.0%)、売却総額29億1,532万5千円(税込、牡25億7,985万円、牝3億3,547万5千円)、平均額4,049万625円(税込、牡4,777万5,000円、牝1,863万7,500円)となる。

一方、社台グループ以外からの上場馬は・・・
上場頭数91頭(牡64、牝27)、落札頭数37頭(牡29、牝8)、売却率40.6%(牡45.3%、牝29.6%)、売却総額6億6,937万5千円(牡5億4,285万円、牝1億2,652万5千円)、平均額1,809万1,216円(牡1,975万3,448円、牝1,581万5,625円)と厳しい現実が・・・。
結果一覧(番号順&高額順など)と種牡馬別取引成績はこちらからどうぞ!

正直、馬体に関して、社台グループ以外の上場馬は遜色ないどころか、凌駕している馬が多数いた。
なのに、血統的に同程度の馬でも、結果に大きな差が生じてしまった。

この理由については様々考えられるが、大きな要因の一つは<多くのお客さんが社台グループ狙い>で、それ以外の馬を最初から狙っていないということが挙げられる。もちろん社台グループの企業努力の賜物なのだが。
この状況だと、展示の際に馬体や動きから興味を示した購買者がいたとしても、他にかちあう人が少ないので競り合いにならない。
必然的に社台グループ以外の馬の価格が伸びない・・・。(お買い得な馬が多数出たとも言えるが・・・)

この事についてある中央競馬関係者は、「ここに集まる皆さんが、セレクトセール=社台グループのセリというイメージを持っている。冊子等で薦めてくれるのは有難いのだけれど、当セールであえて社台グループ以外の馬を候補に挙げづらいのが正直なところ。ここだと、日高の良い馬を安く買えるという事に気が付いている人もいるだろうけど、周りがボンボン高馬を買っている中で、安馬を拾うようなイメージを抱かれるのも避けたいし・・・。だって、普通は2,000万円の馬を買ったら祝福ムードになるでしょ?ここではそれが無いから、虚しいよ。やっぱり異常だよ。そういう意味では、セレクションセールの方がストレスが無いね。」というコメントをされており、このように感じている購買者も多いようだ。

この状況の中で、社台グループ以外の販売者側として、セレクトセールで勝負するにはどうすれば良いのか?
開催前には仕込みが完了しており、開催当日はプラスアルファを見つけるという流れでないと、太刀打ちできない。しかし、上記のようにセレクトセールに違和感を感じている購買者層向けの馬を多く抱えている状況の中で、あえて当セールで買ってもらう為にお客さんを連れて行くのもどうなのか?

来週のHBAセレクションセールであれば、もっともっと競り上がったであろう馬もおり(事実、「セレクションだったらこの値段で買えなかった」と戸惑いぎみの購買者もいた)、来年はどちらの競り市場へ上場するか、販売申込者として十分吟味する必要がありそうだ。(特に1歳市場については。当歳市場はセレクションも弱いので・・・。)

主催者側も、単純に<個々の企業努力>という言葉で済ませるのではなく、<セールのイメージづくり>、<参加する購買者全員が楽しいと思えるセリ運営>など、改善をはかっていく必要があると思う。
ブライベート市場ではなく、半分以上を社台グループ以外の馬を集めて開催する<日本競走馬協会>の競りなのだから。

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