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非ステロイド免疫抑制剤使用の留意点

2011-10-08 11:44:00 | 医学・獣医学
ステロイドについては前述してあるが、タクロリムス外用・シクロスポリン内服(動物用ではアトピカという商品がある)の問題点は?

タクロリムス外用(プロトピック軟膏)は高価ではあるが皮膚バリア障害・ステロイド皮膚炎を起こさない・引っかき傷以外の健康な皮膚から体内吸収がないなど優れた治療薬である。
使用上の欠点は唐辛子を塗られたようなヒリヒリ感が数日あり(慣れるのではあるが)、小児・動物ではコレを知って使用する必要がある。(小児・動物では0.03%の小児用が良いが残念ながら価格は0.1%の成人用と大きく変わらない)
免疫抑制剤であるため、使用部位の感染症には注意が必要である(ステロイドも同じである)。
リンパ腫・カポジ水痘様発疹症・菌状息肉症などを誘発するといわれていたが、これらの疾病が良く似ているアトピーと診断されていたという報告が多い。
2009年 日本アレルギー学会 : 秋季学術大会シンポジウムの報告の中にも7年間アトピーとされた皮膚リンパ腫などがあった。

シクロスポリン内服についてはアトピー重症例での適用であるが、免疫抑制剤であるためタクロリムスと同様の問題とともに食用不振・肝臓への負担などがある。
アトピーに症状の類似したAnergyに使用してしまうと治療できずにAnergyの重症化と副作用を起こす。(Anergyの犬をアトピーと診断してこうなるケースが多くみうけられる)
確実な診断が出来ない状態での使用は危険です。

結論は、確実な診断を得て、非ステロイド・サイトカイン系・亜鉛シグナル系の内服、
アトピーに対しては(特に顔面・頸部のタクロリムス外用)・乾癬・Anergyなどに対しても個々の外用対応を行うことによりマーチを止め早期に暖解させ別の疾病を誘発させないためには肝要です。

疾病のマーチとステロイド

2011-10-08 09:51:00 | 医学・獣医学
アトピー・Anergy・腫瘍など免疫疾患は遺伝子の欠損などの原因でマーチするわけですが、
治療法によっては、先々の悪化もしくは違う病気を引き起こすことも多く診られます。

急性期の過激な症状を抑えるための緊急治療的なものを安易に連用していることも多くみうけられます。
車の燃料タンクに穴があいたので噛んだガムでふたをした・骨折したので副木をあてた・出血が止まらないので強く縛った・・・などに近いことは、その場では有効で正しい判断でもそのままでは今後に問題を残します。
穴の開いた潜水艦にコルクで栓をしてまた潜って運がよければ戻ってこられるみたいな状態は避けなければなりません。

SNOW DREMの治療メソッドは根本原因を確認し、個々に確実な治療法を実践できることを研究しています。
たとえば非ステロイドのアトピー治療は、2002年に世界の皮膚病研究者達による ICCADⅡ(International Consensus Conference on Atopic Dermatitis Ⅱ)の報告のころから外用軟膏の選択にもステロイドよりタクロリムスを使用すべきとなっていますが、
ステロイドとくらべてコストが高いという問題があっても、治療終盤には脱ステロイドが必要(ステロイドには副作用の他 ステロイド皮膚炎・バリア障害が治らない等)なことが判ってきたためヒトではかなり実践されてきています。
ステロイドの良いところは即効性と強い抗炎症作用で有り、耐え難い時の応急処置用と考えるべきと思います。
ステロイドの動物使用ではどうでしょうか?
ヒトも動物もほとんど変わらないのですが、
アレルギー学会の治療ガイドラインの
ステロイド外用は体内吸収が多くステロイド皮膚炎の発生しやすい頸部・顔面には使用しない。(陰部も体内吸収が多い部位です)
内服は最重症の場合入院を前提として数日間とする、小児へ使用は推奨されない
などからは未だに遠い治療が多いような?