ウェネトさまの館

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「真珠 海からの贈りもの」(松濤美術館)

2020年09月08日 20時09分21秒 | 展覧会・美術関連

渋谷区立松濤美術館「真珠 ― 海からの贈りもの」を観たのでございます。
https://shoto-museum.jp/exhibitions/188pearls/


 

古代から近代にわたるヨーロッパ各国の真珠の装身具や、日本における真珠の歴史と装身具で、約120点の展示。
解説パネルも丁寧で分かり易うござります。

構成は以下の通り。お気に入りや気になった作品も、構成ごとに1点くらいずつ挙げまする。 
まずは地下の第1会場からじゃ。


 

【序章:古代の真珠装身具】

《山猫の耳飾り》前2-後1世紀 イタリア
真珠とカボションカットのガーネットやエメラルドから顔を覗かせる金の山猫。ゴージャス可愛い指輪。

【1章:ルネサンスからロココへ】

《パール、パープルエナメル&ダイヤモンド シャトレーヌ》1775年頃 イギリス
パールとダイヤで装飾された濃紺の大きな円形は、裏が時計になっておるそうで(裏面も観た~い)、小さなパールを連ねたチェーンが付いておる。
“シャトレーヌ”は仏語で「城主の妻・女城主」の意じゃが、インドのマハラニが持ってそうなイメージじゃ。

【2章:ジュエリーが花開いた19世紀の真珠】
素材ごとに分類されて展示されておりまする。

★[シードパール]
《シードパールティアラ》19世紀初期 イギリス
英国の3つの国花(イングランドのバラ、スコットランドのアザミ、アイルランドのシャムロック)をモチーフに、芥子粒ほどのシードパールで立体的なティアラに仕立てており、繊細で綺麗。

★[ハーフパール]
《ハーフパール、ダイヤモンド&ゴールドネックレス》19世紀中期 イギリス
ハーフパールとダイヤで桜の花チックなモチーフ。波打つようなデザイン。

★[センチメンタルジュエリー]
《ハーフパール、シードパール&ミニアチュールブレスレット》19世紀初期 イギリス
よくこんな芥子粒のようなパールに穴を開けて糸を通せるものよのぅ。
そんなシードパールを10連にし、装飾は縦長の小さな象牙の板に、2羽の鳩が墓標に花を手向けるシーンが描かれたブレスレット。
因みにセンチメンタルジュエリーは、愛情や、信仰や、故人を偲ぶ気持ちが込められたジュエリーじゃ。

★[エナメル]
《シードパール&ミニアチュールネックレス「キューピッド」》19世紀 フランス
5つの貝殻板の楕円形プレートに、色んなポーズのキューピッドを描いたミニアチュールがおさまり、透明な蓋で覆われておる。
デザイン的には好みではないのじゃが(失礼)、ちっこいキューピッド達が可愛いのじゃ。

★[カメオ]
《ハーフパール&ハードストーンカメオブローチ》1860年頃 フランス
白と黒の縞瑪瑙の層を生かし、白い部分を背景に、黒い部分でムーア人の横顔を彫刻したカメオで、パールとダイヤで装飾。

★[ゴールド]
《パール、サファイア&ゴールドトレンブランブローチ「鳩」》19世紀中期
羽毛も緻密な鳩と植物。下の部分には簪のびらびらのような装飾。

【3章:19世紀末から20世紀初頭 ひろがる真珠の世界】

《パール&ゴールドペンダントネックレス》ウォルファース兄弟商会 1900年頃 ベルギー
ペンダント上部に羽のモチーフ、下部のターコイズの付いた蓮の花のモチーフからシードパールのタッセルとブラックオパールが下がるという、アール・ヌーヴォーな素敵デザイン。

【4章:代表的な真珠貝と真珠】
アコヤ貝、シロチョウ貝、クロチョウ貝、それぞれの貝殻と養殖真珠が展示。

ささ、ここからは2階の第2会場へ参るぞよ。


 

【5章:いにしえの日本の真珠】

《縄文真珠(別名:トリハマ・パール)》縄文時代前期 鳥浜貝塚出土
何と縄文前期の地層から出土した、日本最古の真珠遺物じゃ。

《夜光の名珠》江戸時代
大村藩主家に伝来した、径15㎜以上もある分厚い碁石状の天然アワビ貝真珠で、所々ピンク色が混ざっておる。
加工もされずにこの状態で残っておるのもすごい。わたくしなら帯留に加工し・・・(逃)

【6章:真珠王御木本幸吉 日本の真珠装身具の黎明】

《帯留「六弁の花」》御木本真珠店 1913-17(大正2-6)年
六弁の花が2輪、細い金の装飾も綺麗。

《帯留「流水」》御木本真珠店 1927-30(昭和2-5)年
水が流れるような素敵デザインで、白い真珠と青みがかった真珠が使われておる。

【7章:人の手から生まれた真珠 養殖真珠】
養殖真珠を作る道具も色々展示され、「核入れ」の映像も流れておりまする。

《仏像真珠》製作年不詳 中国
貝殻の内側に、まるっとした仏像が11体、浮彫りのようになっておる。
真珠養殖の技術のもとになったもので、貝殻と外套膜の間に仏像の形の鉛板を入れて作られたそうな。

2階ロビーでは、「真珠の国・日本」のビデオ(5分33秒)が観られまする。


 

ひっそりした会場でじっくり目の保養ができ、楽しゅうござりました。
感染防止の為、2階展示室のゆったりしたソファに座れなくなっておるのがちと残念じゃがの。

真珠の装飾品(人造物でもOK)を着けて行くと、通常料金から2割引きで入館できる真珠割もございます。
会期は延長されており、9月22までじゃ。

スイーツは、パーラー大箸に初潜入。


 

ととのうプリン、ビッグをお願いいたしまする~。

ど~ん!


 

確かにビッグじゃ。しっかり固め且つなめらかで美味しいぞよ~。
カラメルソースはかなり苦いが、プリンがきちんと甘いので、バランスよろしゅうござります。

因みにプリンは3種類ありまして、シングル(500円)、ダブル(700円)、そしてシングルの3倍サイズのビッグ(1000円)じゃ。(セットドリンクは+300円)
プリン、わたくしには10倍サイズで持ってきて下さってもよろしくってよ~(ばき)

メニューのバインミーや牛タンシチューも美味しそうじゃったゆえ、今度食べてみようかの。