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子ども2人不登校でした

回想その13 〜毒子散財する〜

毒子に「成人式の振袖を買ってあげる」と言われた時

私は「成人式出ないから要らない」と答えた。

ひねくれていた私は、成人式に振袖を着るという呉服屋の商業主義に乗せられるのは愚かだと思っていた。

それに、小学校単位で開かれる成人式には行く気がしなかった。会いたい人もいなかった。

そして1番の理由は、そんな高い物買ってもらったら悪いと思ったからだ。

私は子どもの頃から毒子に「うちにはお金がない」と聞かされて育ってきた。

私が幼い頃、毒子は家でボタン付けの内職をしていた。わたしが1人で留守番できるくらいの年になると、毒子はパートに出かけた。

節約して家計をやりくりして大変だったのは事実なのだろう。

しかし、私が大学に入った頃には友蔵は出世していて給料は上がっていただろうし、子どもたちは2人とも自宅から国立大学に通っていたので、仕送りも必要なく、学費は安いという、大変羨ましいご身分となっていた。


毒子はその頃はとっくにパートをやめ、カラオケや刺繍などのカルチャーセンターに通っていた。

「奥さん会」と言われる、警察官の妻の交流会があった。署長クラスの奥さんの中には高級ブランドの服を着てくる人達がいたようだ。

「〇〇さんはアシダジュン、〇〇さんはピエール・カルダン、〇〇さんはいつもレリアン」

毒子は高級ブティックの常連となり、張り合うように高級ブランドの服を買うようになった。

ある日毒子は「ホリが私を無視した!」と店員の名を呼び捨てにして怒っていた。

いつも毒子にすり寄ってチヤホヤしてくるホリという店員が、他の客の相手ばかりして自分の方に寄って来なかったと言うのだ。

それは毒子よりも上得意な客が来ていたのだろうと誰でも分かることだが、毒子は怒りが収まらない様子で「もうあんな店では二度と買い物しない!」と怒っていた。

あんたは何様や…

毒子は始終こんな感じである。

その高級ブティックで服を買わなくなったのはいいが、今度毒子がハマったのは着物だった。

ある日のこと、成人式はもう済んでしまったのに、毒子が私の振袖を買うと言ってきた。

次の年の成人式用に開かれた、振袖の反物の大掛かりな展示会に連れて行かれた。

そこには呉服屋の主人が待ち構えていて、私は鏡の前に立たせられた。呉服屋が次々と持ってくる反物を、流れ作業のように毒子が私の体に充てがっていった。

「やっぱりuparinには赤が似合う」と言い、振袖を選んだのは毒子だった。呉服屋は隣で毒子の趣味を褒め称えていた。

その振袖がいくらしたのかはっきり聞いていないが、結構な値段だったようだ。

成人式は終わっていたが、振袖は大学の卒業式の謝恩会や友人の結婚式に活躍することとなった。

それ以来、呉服屋がしょっちゅう家に来るようになった。

毒子は自分の着物も買っていたようだが、着物を着る機会なんて滅多にないので一、二着買ったらもう必要がない。

呉服屋のターゲットは私だったようだ。

娘さんの嫁入りに着物を揃えないといけないという口車に乗せられ、まだ将来結婚するかどうかも分からない学生の私に、毒子は次々と着物をあつらえていたのだ。

当時の私はそんなことは知らなかったのだが、毒子が呉服屋主催のバス旅行にしょっちゅう行っていたのは覚えている。着物を買うと招待されるようだった。

私が嫁入りに持ってきた箪笥の中には、一度も袖を通したことのないたくさんの着物が仕付け糸がついたまま眠っている。

何を考えてこんなに着物を買ったのかと呆れる。総額何百万円になるのだろうか…

今売っても二束三文にしかならないのに。

このお金は友蔵が働いたお金だ。

そりゃ、毒子も家事労働はしてきたには違いないが

友蔵の給料は毒子が吸い上げて、友蔵は小遣いをもらっている。年金生活となった今でもそれは同じだ。

毒子は私が子どもの頃は「あんな男とは離婚する!離婚する!」といつも言っていた。

「あんた達(兄と私)がいるから離婚できない」とも言われた。

子ども達が成人したんだから離婚すればいいものを、毒子の「離婚する」は口先だけだった。

そりゃ、離婚したら呉服屋にチヤホヤされて着物を買いまくる道楽なんてとてもできないからね。

友蔵のお陰で贅沢ができるのに、生活が豊かになっても毒子の友蔵への悪口は止まなかった。

しかし、この頃は友蔵があまり相手にしなくなったのか、若い頃のような激しい喧嘩はなくなっていた。

ある日、県警の広報誌に友蔵のプロフィールが載っているのを目にした。

好きな漢字は『忍』と書いてあった。

『忍』の意味は『がまんする』『じっとこらえる』

友蔵は毒子にいつも我慢しているんだと思い、すごく腑に落ちた。




タイムマシンがあったら結婚前の友蔵に会いに行って言ってやりたいよ。

あの女と結婚するのだけはやめなさい!!と。

そうしたら私も生まれていなかった。

私が生まれていないのは全然構わないが、

長男やニイト君も生まれて来なくなるなぁと思うと複雑な気持ちがする








長々と愚痴りましたが

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

もう少しお付き合いくださいませ💦




コメント一覧

uparin
@rin082209221107 りんさん
コメントありがとうございます。
りんさんもお着物に仕付け糸がついたままなんですね😅
着物を買ってバスツアーにご招待、
そういう時代だったのですね。
あの頃、バブルでしたものね〜。

私も着付けを習って着物を着たいなとは思っているのですが、着る機会はなかなかありそうになく…😔
喪服の着物も今どき着る人いないし。
もったいないなぁ〜と思います。
uparin
@tochika さん
こんばんは。
コメントありがとうございます。
とちかさんも成人式に出なかったのですね。私は夫に成人式に出なかったと話したら「え?どうして出なかったの?いじめられてたのか?」と言われましたよ😓
夫の郷里は田舎なので成人式にみんな出るのが当たり前で、出ないなんてよほどの変わり者かいじめられていた人だけだったみたいです。

義理のお母様も専業主婦で散財されていたのですね💧
校長の妻と警察署長の妻、立場的に似ているかも知れません。
毒子の話によると、他の署長夫人で毒子も驚くほど散財していた人がいて、給料は同じはずなのにどこにあんなお金があるのだろうとよく言っていました。
その人も同じ呉服屋から着物を買っていて、その奥さんはいくらの着物を買ったとか、呉服屋がペラペラ喋っていたようです。昔は個人情報なんて概念はなかったですからね。
気の毒なのは旦那さん達ですね😓

クレ・ド・ポーは女優さんが使う化粧品と思っていました
( ´∀` )
義理のお母さま、そんなに散在してうつ病だったとは、それこそ躁うつ病のような気がしてしまいます。
毒子は私の目から見てですが、うつ病や不眠とは無縁です。反省したり自分を責めたりすることはありません。自己中心的で何でも人に責任転嫁しています。でもいつも何かに腹を立てていて、怒ってばかりで、幸せとは縁遠い人だと思います。やはり何かの精神異常のような気がしてきます。
すみません、また愚痴になってしまいました((+_+))
rin082209221107
時代ですよねー私も 嫁入りにと 着物を揃えてもらいました。やはり、今だに 仕付け糸が付いたまま。
お茶でも習って、着物を着る機会を作ろうかと思っています。
私も 母と着物の展示会のバスツアーに行ったことがありますよ。景気の良かった頃のことです。
uparin
ぴこさん、コメントありがとうございます。
ピコさんは成人式にドレスを着られたのですね。
私の母の行動は一部だけ切り取ると躁鬱病の躁状態に似ているかも知れません。
しかし、躁鬱病ではありません。
彼女はうつ状態になることはありません。自分の行為を反省したり後悔したり、落ち込んだりすることはありません。
だから絶対に違います。
何かの精神異常である可能性は否定できませんが😓
uparin
@25253674 マリさん
コメントありがとうございます。
マリさんはご自分で振袖をご用意されたのですか😳ビックリです‼️
私はその頃は親の脛かじりでした。
二十歳でもう自立されていたのですね!!
お世話になった方への挨拶まわりなど、普通の二十歳の人にはできないことだと思います。

うちは長男は成人式を楽しみにしていましたが、前の日に友達と飲み過ぎたとかで寝過ごして欠席〜💦でも二次会には出ていました。
ニイト君は成人式には出ないと思います。

夫婦のことは夫婦にしか分からないですね。うちの親の関係性は私の理解を超えています😓

次回楽しみと言っていただけると嬉しいです。とても個人的な恨みつらみばかりですが、私も書くことで気持ちの整理ができています。
tochika
uparinさん、こんにちは。
私も成人式に出ませんでした。
式そのものに興味が無かったし、当日は冬山登山をしていました。

毒子さんの散財力すごいなぁ。
自分で稼いでいないから、そうなってしまうのかも。
それかやはり心病んでいた可能性もありですね。

義母も散財するタイプでした。やはり専業主婦。
目立ちたがりで派手目、タバコも吸います。
市場に行くと最も高価なカニや牛肉を選んで買っていたり
外食に行くとその店で最も高価なメニューを頼んでいました。
値段は関係なし、高いものは美味しい(?)という感覚。

義父は道立高校の校長先生なので、高給取りですが
ほとんど義母が浪費していました。
服も百貨店でしか買わずに、赤紫の色彩の強い服が好みでした。
私にはよく分からないのですが「クレ・ド・ポー」という化粧品を使っていて
妻が言うには資生堂の中で最もハイブランドだとか??
小さな瓶に入っている化粧水だかなにかが1本5万円するとか言っていました。

妻と結婚する前に初めて会った時、ビックリしました。
義父よりもデカイ(165cmぐらい?)、派手...あれれ??って感じでした。
義母は自称99kgだそうで...って言う人は100kg超えているはず。

結婚後に知りましたが、義母はうつ病と不眠症、糖尿病、その他諸々の病を抱えていました。
びこ
大昔の話ですが、私も成人式はドレスで出席しました。振り袖は作ってもらっていたけれど、私は早生まれで、当時の成人式は生まれた年で区分けされていたから成人式では自分の学年の同級生にほとんど会えないというのが大きな理由でした。

uparinさんのお母様も振り袖を作ってくださったのですね。ずっと記事を読ませていただいていて思ったのですけれど、uparinさんのお母様も躁鬱病であられたのではないかと、ふと思いました。それで買い物依存症になられたりしていたのではなかったでしょうか?私の父も躁状態になると、当時のお金で300万円くらいの買い物するのが常でした。それで鬱になったときは後悔に苛まされて苦しんでいました。私はそんな父の姿を見ながら育ったから、ひょっとして、と思ったのでした。違っていたらごめんなさい。
25253674
こんばんは(*^^*)
お母様は自分のために娘に高級な振袖を用意したかったのですね。
お父様が多忙で お母様も少し心のバランスを崩されていたのかもしれないですね…
満たされるって お金でもなく、人それぞれに求めるものも、受け止め方も違うものね。
しかし、お母様は そんなご自分をも
きっと 理解していないまま来たのかしら…。
私の周りにも やはり 収入は世間的には恵まれた人でも 買い物依存や高級ブランド品への執着が凄くなってしまう人、います。その場その時は満たされた気になっていても、やはり 満たされず、その繰り返し…。
強気で頑固な方に多いような🤔
お父様も きっと 心のどこかで、子供にはわからない部分で お母様のそんな心を受け止めているのかもしれませんね。
本当 夫婦のことは夫婦にしかわからないものね😊
成人式、私は自分で用意して出席しました😅
その後は それまでお世話になった方々の家をまわりました☺️
1人で生きていく決意の日だったから。
長女は成人式は欠席しました。
今は出席する子が少ないみたいですね。
次女も欠席だろうな~(笑)
振袖は 長女に用意したから、次女にも用意するつもりですけど、以降 お嫁に持っていくか?は本人達次第ね😅
uparinさんのブログを機会に 私も色々振り返ってみたりしています。
次回も楽しみにしていますね!😊
uparin
レイさん
こんばんは😄
コメントありがとうございます。
自分の成人式もお仕事してたんですね!!
夜明け前から仕事してお昼から振袖に着替えて遊びに行くなんて、パワフルですね😳

母は成人式に振袖を着て欲しかったのでしょうね。でもわたしは母を喜ばせるようなことをしたくなかったのです。
あっ、成人式に出なかった1番の理由はこれかも知れない!!
今気がついた💡

母は呉服屋やブティックでチヤホヤされて気分が良かったのでしょうね。浅はかな人だなぁと思います。若い頃に節約していた反動もあったのでしょう。

振袖はレンタルで十分だと思いますよ〜。
私も3回くらい着ただけで、もったいなかったです。その振袖は母が私の従姉妹にあげてしまったのですが、そのお礼がタオル一本だったと怒っていました。着てもらえただけでいいのに。本当に卑しくて嫌になります。
すみません、コメント欄でまでつい愚痴ってしまいました💦
Lei
こんばんは^_^
私も成人式には出ませんでした。
同じ職場(美容院)に同級生がいたのですが、彼女も出ないというし、私も会いたい人もいなかったしで、仕事してました。
その時代は、成人式と言えば、夜明け前から仕事でしたので。
お昼前まで仕事をして、私達は振袖に着替えて、遊びに行ったのですが、、、
家に帰ってから、振袖姿を楽しみに待っていたのにと叱られましたけどね💧
その時着た振袖は、お店の先輩から借りたものでした。
その時、振袖を買うお金があったかなかったかは分からないけれど、、、

uparinさんのお母さん、素直に成人式に着物を着て、出席してほしかったのかなぁ。
沢山の着物、その前はブランドの洋服、、何か満たされない何かがあったのかもしれませんね。

私は、娘に振袖を買ってあげられるかなぁ。。
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