12歳で両親を凶悪な殺人事件で失った女性の一生…でしょうか。ファミリー・ヒストリーでしょうか。余りにも話があっちこっちに飛んで、著者の耽美主義も半端で、心に深く沁み込むような感嘆がない。どっぷり浸り溺れることが出来ない。天使のような少女が不遇な一生(少女はそれで良しとしているのか)を送った事で”神よ憐みたまえ”なのでしょうか?。著者のセレクション・シリーズをほとんど読んだが彼女はやはり中、短篇で読者を虜にしてしまう方がうまい。上手だなあ、拍手をしたくなること度々であった。A新聞に連載された"月夜の森の梟”はご主人(藤田宣永)を亡くしたそのグリーフは共感を呼んだ。