キンちゃん走りの男

　　
最近、町を歩いていても、土手を走っていても、両腕を前後ではなく横に振って歩く人をよく見かける。
年配の人より若い人に多く、男性よりは女性のほうが多いような気がする。

先日制服を着た女子高生が、「Ｇメン75」みたいに横並びで、全員が横腕振りで歩いてくるのに出くわしたが、道いっぱいに広がっているためジャマくさく、でもなんだか妙におかしく、あれまるで気にしていないんだなぁ、と思った。

べつに腕を前後に振ろうが、横に振ろうが、とりたててどうということもないのだが、なぜか近頃よく目についちゃうのだ。
以前テレビでファッションショーのモデルが、その歩き方でステージに登場したのを見ていて、こういう影響なのかなとも思ったが、どうなんだろう？
それとも「欽ちゃん」走りの変形 ?

などということを、小松川橋付近の土手の道ですれ違った女性の歩きを見ていて考えた。

このところ走って4、5kmを過ぎた頃から、右足の膝の裏あたりが痛んでくるので、今日は行きは一生懸命歩き、帰りの5kmを走ることにした。
同じ道を引き返すのも面白くないから、土手の上の道を走ることにして、快調に平井大橋あたりまで来たとき、なんだか膝の裏がムズムズと、痛みの前兆のような感じがして足が重たくなった。
目先を変えようと、左手に広がる工場や町並みを見ながら走っていて気がついた。

横向きというより、やや後ろを振り向くような格好で走ると、スピードが乗りいい感じなのだ。
ためしに右手を向いて、同じように走ってみたが、どうもいまいちだった。
左向き横走りの方が、断然走りやすい。
左というのが、右膝の痛みに作用しているんだろうか ?

わからないけれど、この走りは忍者の走法みたいなもんなのだろうか ?
いや、まて、忍者というよりも、これはそう、まさしく「欽ちゃん」走りじゃないか。

なんでそう　なるのっ !!

無意識の「欽ちゃん」走り。
快適なんだけど、あんまり人には見せらんないかもね・・・。

えー、荒川の土手で無心に「欽ちゃん」走りをしている男がいたら、それはたぶんオヤジでありますが、どうかそっとしておいてやってくださいまし。